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[船橋招待U-18大会]逆境、前評判もエネルギーに。伸び伸び戦う矢板中央が広島皆実に3発快勝

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前半21分、MF高橋海斗の2点目を喜ぶ矢板中央高イレブン

[3.25 船橋招待U-18大会 矢板中央高 3-1 広島皆実高]

 25日、第27回船橋招待U-18サッカー大会第1戦で矢板中央高(栃木)と広島皆実高(広島)が激突。強豪対決は矢板中央が3-1で勝利した。

 矢板中央新チームの対外試合初戦を迎えたのは、わずか2週間ほど前。栃木県にまん延防止等重点措置が適用されていたため、個別の自主練習と週末に紅白戦ができた程度だったという。例年に比べると、新シーズン開幕へ向けた準備はかなり遅れている状況。それでも、船橋招待初戦は、高橋健二監督が「3か月できなかったですから。伸び伸びやっていますね」と目を細める戦いで、快勝を収めた。

 矢板中央は前半9分、高さと局面を変える左足を備えた左SB木村匠汰(新3年)が左サイドからライナー性のロングスロー。これをニアでMF田邉海斗(新3年)がそらすと、ファーのMF高橋海斗(新3年)が右足で決めて先制した。

 その後も勢いのある攻守を見せる矢板中央は20分に田邉が強烈ミドル。主力組とサブ組の選手を一部ミックスして臨んだ広島皆実も立ち位置を変化させながらボールを動かし、快足SH藤井永遠(新3年)のクロスやMF立通岳(新3年)がインターセプトから放った左足シュートなどで反撃する。だが、次の1点も矢板中央が奪った。

 21分、再び左サイドから木村がらロングスロー。DFのクリアミスを再び高橋海が決めて2-0とした。この後も木村のロングスローやFW高橋秀斗(新3年)、FW下平悠斗(新3年)の推進力を活用した攻撃から追加点のチャンスを作り出した矢板中央は、後半開始から7人をチェンジ。一方の広島皆実は後半から出場のMF岡本敬大(新2年)がボールに絡むなど巻き返す。

 だが、矢板中央は20分に敵陣での奪い返しからMF柏木康介(新3年)が加点。広島皆実も直後に左クロスを岡本が頭で合わせて1点を返したが、矢板中央が3-1で勝利した。

 矢板中央の高橋監督は「自分たちでやれない期間、自主練してきたことができている。逆境の中できょうなんかも一生懸命やっていたし、見ていても新鮮さ、サッカーができるありがたさが出ていましたね」と選手たちを評価する。

 GK藤井陽登(→明治大)やMF大畑凜星(→法政大)らタレント揃いだった3年生に比べると個が弱いと言われてきた世代。それでも、新リーダー候補の田邉は「そんなに上と下との差がないというのも自分たちの強みであるし、誰が出ても全然やれるチーム。前評判は全然良いとは言われていないので『見返してやりたい』という気持ちが凄く強いですね」。サッカーに飢えてきたエネルギー、競争力も力に今大会やプリンスリーグ関東で白星を重ね、周囲を見返す。

(取材・文 吉田太郎)

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