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[船橋招待U-18大会]主軸欠場も桐光学園は新1年生含めて奮闘。名古屋U-18に追いつき、ドロー

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名古屋グランパスU-18のMF那須奏輔(右)は2ゴール。桐光学園高MF小西碧波は貴重な同点ゴール

[3.25 船橋招待U-18大会 名古屋U-18 2-2 桐光学園高]

 25日、第27回船橋招待U-18サッカー大会で21年度日本クラブユース選手権(U-18)大会優勝の名古屋グランパスU-18(愛知)と同全国高校選手権8強の桐光学園高(神奈川)が対戦し、2-2で引き分けた。

 先制したのは桐光学園だった。前半2分、右サイドからMF松田悠世(新2年)が蹴り込んだ左足CKがニアを破る。名古屋U-18はすぐに反撃。8分には、U-16日本代表候補FW杉浦駿吾(新1年)のドリブルからU-17日本代表候補MF鈴木陽人(新2年)が右足を振り抜く。だが、これは桐光学園GK渡辺勇樹(新2年)がファインセーブ。ボール保持を伸ばした名古屋U-18が鈴木や杉浦のドリブルを交えて攻めるが、桐光学園はボールサイドへの寄せ速くシュートをブロックする。

 だが11分、名古屋U-18はMF佐藤俊哉(新2年)のパスを受けたMF那須奏輔(新2年)が、中へ持ち出してから左足一閃。一撃で同点に追いついた。先発9人が下級生の名古屋U-18はその後も主導権を握って攻めたが、桐光学園もMF菅江陸斗(新3年)がボールを収めて攻め返す。そして、MF齋藤俊輔(新2年)のカットインシュートがポストを叩くシーンもあった。

 この日、桐光学園は新主将のFWベイリージャスティン勇誠(新3年)やU-17日本高校選抜DF豊田怜央(新3年)らが不在。だが「新1年にしては走れる」(鈴木勝大監督)という新1年生右WB杉野太一やMF小西碧波(新2年)が運動量を増やして名古屋U-18に対抗した。
 
 名古屋U-18は後半12分、前線の杉浦へボールが入るとサポートした那須が豪快に左足を振り抜いて2-1。だが、桐光学園は18分、FW金岡樹(新3年)の左クロスのこぼれ球を小西が右足でねじ込む。互いに勝ち越し点を狙ってギアを上げたが、スコアは動かず、2-2で引き分けた。

 神奈川県1部リーグ所属の桐光学園はプレミアリーグ勢の名古屋U-18相手に前向きなドローだ。全国8強の主力メンバーのほとんどが卒業。それでも鈴木監督が「素直。吸収力がある」と評する世代は、主軸不在の中で危機感を持って戦い、先発半数を入れ替えた後半も粘って負けなかった。

 今年、日本高校選抜コーチを務めた鈴木監督が高体連トッププレーヤーたちの基準を間近で見て、チームに伝えていることも大きい。桐光学園は伝統的な堅守を受け継ぎながら、今年の良さである攻撃オプションの多さ、そして新たな基準値の高さも活かして先輩超えへ挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)

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