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[船橋招待U-18大会] 「らしさ出さないとあのリーグでは戦えない」。プレミア復帰の静岡学園が鮮やか2発で市船撃破

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後半20分、静岡学園高MF高橋隆大(10番)が決勝点

[3.26 船橋招待U-18大会 市立船橋高 1-2 静岡学園高]

 名門校対決は静岡学園が制す。第27回船橋招待U-18サッカー大会2日目の26日、ともにプレミアリーグに所属する市立船橋高(千葉)と静岡学園高(静岡)が激突。静岡学園が2-1で競り勝ち、開幕3連勝とした。

 静岡学園は13年以来、9年ぶりの挑戦となるプレミアリーグ開幕直前。例年、Aチームは県新人戦後に川口修監督の指導をスタートするが、今年はコロナ禍のため、まず県新人戦が打ち切りになった。加えて、なかなか対外試合をすることができず、前日の柏U-18戦(1-0で勝利)が指揮官にとって、新チーム初采配だったのだという。

 準備期間は非常に少なく、「まだまだ」(川口監督)な状態。縦パスに対して厳しいチェックを見せる市立船橋の前に崩しの回数を増やすことができなかった。それでも、ところどころで“静学らしさ”を発揮。2つのファインゴールによって、市立船橋を上回った。

 前半2分、静岡学園は左のMF寺裏剣(新3年)からパスを受けたMF保竹駿斗(新3年)が、切り返しから思い切り左足を振り抜く。これがゴール右隅へ突き刺さるスーパーゴール。幸先よく先制した静岡学園は、その後もボールを握って相手にプレッシャーを掛けようとする。

 だが、市立船橋は6分、敵陣での奪い返しから21年U-16日本代表候補FW郡司璃来(新2年)が抜け出し、GKをかわして同点ゴールを叩き込む。追いつかれた静岡学園はこの日落ち着いたボールタッチ、パスでチームの中心になっていた保竹、U-17日本高校選抜MF白井柚希(新3年)のダブルボランチを軸にボールを動かし、右のU-17日本高校選抜MF高橋隆大(新3年)と左の寺裏の両ドリブラーが仕掛けて行く。

 だが、市立船橋は簡単には決定打を打たせない。後半3分にはDFライン背後へのボールでGKが入れ替わられてしまうも、この日好守を連発していたCB懸樋開(新3年)が素晴らしいクリア。一方で市立船橋は5分、活動量多く攻撃に絡むMF高橋悠真(新3年)が相手GKと1対1になるも、ループシュートはクロスバー上方へ外れた。

 また、市立船橋は左SB北川礁(新3年)のクロスに高橋が飛び込むシーンもあったが、21年U-17日本代表候補CB行徳瑛(新3年)とCB森下蒼大(新3年)を中心に堅い静岡学園から2点目を奪うことができない。

 25分ハーフで行われた名門対決は、後半20分に静岡学園が2点目を奪う。右中間から高橋がドリブルで持ち上がると、右SB谷岡拓新3年)のスプリントをおとりにそのまま右足シュート。強烈な一撃をファーサイドのゴールネットへ突き刺し、決着をつけた。

 静岡学園にとってこの日の一戦はプレミアリーグの強度を体感する貴重な機会に。3日に開幕するプレミアリーグWESTでは、テクニックとインテリジェンスを駆使した“静学らしさ”を表現する。

 川口監督は「らしさ出さないとあのリーグでは戦えない。そこは凄く大事だと思う。そこは絶対にブレずにやるので。ただ勝ちたい、生き残りたいというサッカーは絶対にやらない」。高橋も「上位で優勝を狙っていかないと、と思っている」と語るように残留を掲げてスタートするのではなく、優勝争いに加わることが目標。“静学らしさ”を表現した上で結果と成長を得るシーズンにする。

(取材・文 吉田太郎)

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