[4.2 高円宮杯プリンスリーグ東海第1節 浜松開誠館高 2-1 藤枝東高 浜松開誠館総合G]

　技術力の高い中盤と強力な両ウイング、そしてCF。今年の藤枝東高(静岡)はサブの選手含めて攻撃力高いチームになりつつある。そのチームの攻撃をコントロールしているのが、2年生レフティーの泉新之助(FC東京U-15むさし出身)だ。

　1年時から先発を務める泉はプレーの安定感が高く、アンカーでも、一つ前のポジションでもチームに質を加えることができる存在。打開力も兼備するMFは、「ボール持てて、多少ドリブルもできるし、繋げるので、真ん中で持ってウイングの選手を活かしたり、FWの裏に出したりとか、それを見せて自分で仕掛けて行くこともして、どんどん得点に絡んでいきたい」と意気込んでいる。

　この日の前半は相手の前からのプレッシングを受けてしまう形に。それでも前半半ば以降はボールに絡む回数を増やし、1タッチパスなどで攻撃をコントロールしていた。後半には自ら突破するシーンもあったが、「悪くなかったけれど、後ろ過ぎたというか、ゴールに繋がるプレーは少なかった」と反省する。

　引いて守る浜松開誠館を切り崩すため、FWやウイングのプレーヤーに早めにボールを付けていたものの、「そういう形でしかできなかった」。普段は抜け出しも狙うMFは、得点を奪うためのバリエーションや連係の質をより求めていく。

　現3年生は1年時にU-16全国大会で準優勝している世代。2年生も泉やU-16日本代表候補のDF野田隼太郎(2年)、MF渡辺皐(2年)ら楽しみな選手たちがいる。泉がコンビを組む渡辺は鷲巣延圭監督も、「ちょっと見ているところが違うので驚くプレーしてくれる」と期待する存在。泉も「上手いしキックも凄く良いし、凄く信頼していつもパスを出しています」と信頼を寄せるレフティーとともに3年生を助けるゴール、白星を目指していく。

　泉は「今年の目標として、プリンスリーグ優勝とプレミアリーグ昇格、インターハイ・選手権全国出場」を掲げる。そして、「パスでアシストできて、得点も獲れて、なおかつ守備もできる選手」を目指すことを誓った。王国・静岡の中でも特別な歴史を持つ名門校をプレミアリーグへ押し上げ、“古巣”FC東京U-18と対戦する機会を得られるか。まずはチームの中心選手として、どの試合でもハイパフォーマンスを続けて目標に近づく。

(取材・文　吉田太郎)

---

▼関連リンク
●高円宮杯プリンスリーグ2022特集