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注目世代の帝京が初黒星。FW伊藤聡太主将はチームを変える選手、先頭を走る選手に

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新生・帝京高の10番FW伊藤聡太主将は名門の先頭に立って戦う

[4.9 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第2節 昌平高 3-0 帝京高 昌平高G]

 後半36分に交代となったキャプテンは、「さあ、やれるぞ!」と大声。反撃を続ける仲間たちを鼓舞してピッチを後にした。

 名門・帝京高(東京)の新キャプテン、FW伊藤聡太(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)は「(失点に絡んでしまうなど)立場に似合わないプレーが自分の中でまだあるので。でも、最後までできることはやろうという考えで言葉を掛けました」。その思いが仲間たちへの大声に。だが、チームは逆に突き放されて0-3で今季初黒星となった。

 この日、帝京は前半14分、15分に不運やミスも重なる形で連続失点。直後にFW齊藤慈斗(3年)のヘッドや伊藤のカットインシュートが相手DFの好守に阻まれるなど、なかなか追撃することができない。

 特に後半はMF押川優希(3年)を中心とした強度高い守備から、ボールを握って主導権。帝京らしい正確なビルドアップやショートコンビネーションで流れを掴んでいた。ただし、押川の右足ミドルがクロスバーを叩くなど、1点が遠かった。

 伊藤は「できることもありましたけれども きょう個人的にも、チーム的にも運動量が少なかった」と反省。そして、「例えばボランチからFWの(齊藤)慈斗に入った後に越えて行く選手が少なかったりとか、背後への抜け出しが前半なかったりとか、そういう運動量を増やして、選手同士の係わりをもっと増やせたらもっと良い形になるんじゃないかなと思います」と改善点を挙げていた。

 帝京はインターハイに出場した昨年から主力のほとんどが残り、U-19日本代表候補左SB入江羚介(3年)ら代表クラスの選手も複数擁する注目世代だ。今冬は横山杯で準優勝し、“裏選手権”ことNEW BALANCE CUPでも昌平高と両校優勝を果たした。プレシーズンには横浜FCユースとのLIGA KANTO U-18開幕戦でも好内容のドロー。だが、伊藤は好結果が続く中で良い雰囲気を維持できなかったと考えている。

「練習でもっと雰囲気変えようとやってきたんですけれども、自分が変えるための人にならないといけない。先頭を走らなければいけない」と伊藤。チームを変える主将になること、そしてFWとしてチームを盛り上げるプレー、ゴールを奪うことを誓った。

「自分は前の選手なので、声もそうですけれども、点を獲らないとチームも乗って来ないし、勝つことができないので、自分自身が点を獲ることもそうですけれども、チームが点を獲ることにも特化して、もっとレベルを上げていかないといけないと思います。(個人的には) 最後のフィニッシュのところでポストや相手に当ててしまうことが去年から多くて、その決定力という部分ではもっと上げていかないといけない」。より執着心を持ってゴールへ向かい、結果に繋げる。

 今年のチームに対する周囲の評価は非常に高い。伊藤は「良い選手は揃っていると思う」と認めた上で、「あとは自分たちでどれだけ上まで行こう、という雰囲気の中で成長し合えるかだと思うので、一つになって勝ちに持っていけるように、みんなでどれだけ協力していけるかだと思います」。そのチームを先頭に立って引っ張り、選手権優勝6回の名門を復権させる。

(取材・文 吉田太郎)
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