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[MOM3798]広島皆実DF新中優大(3年)_「戦うぞ、最後まで!」声とプレーで皆実引っ張り、完封勝利

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広島皆実高の無失点勝利に大きく貢献したゲーム主将DF新中優大

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.16 高円宮杯プリンスリーグ中国第3節 米子北高 0-1 広島皆実高 どらドラパーク米子陸上競技場]

 1点をリードしているものの、いつ失点してもおかしくない猛攻を浴びていた試合終盤。キャプテンマークを巻いた背番号4が、ひと際大きな声を張り上げた。

 「戦うぞ、最後まで!」

 その言葉通り、広島皆実高は一人ひとりが最後まで体を張った守りを見せ、1-0の完封勝利。センターバックの一角で無失点に貢献したDF新中優大(3年=サンフレッチェ広島FCジュニアユース出身)は試合終了の瞬間、ピッチにひざまずいて喜びを爆発させた。

 風上だった前半は22分に先制点を奪い、優位に試合を進めていたが、風下になった後半は押し込まれる時間が続いた。ボールを奪ってもパスをつなげず、大きく前に蹴り出すしかない局面もあったが、新中は「米子北は縦に速い攻めをしてきて、ちょっとでも甘さを見せたらスキを突かれる。自分たちが思うようなビルドアップができないことは分かっていて、集中を切らさないように、最後まで声をかけ続けた」と振り返る。

 昨年度は失点の多さが課題で、守備力強化が現チームの大きなテーマだ。ファジアーノ岡山U-18と対戦した第1節は立ち上がりに先制した後、前半と後半の失点で一度は逆転される苦しい展開。終盤の2得点で3-2と逆転勝ちしたものの、新中が「勝ちはしましたが、2失点は課題」と振り返る出来に終わった。

 延期となった第2節を挟み、この日は猛攻に耐えて完封勝利。「自分はあまり貢献できていませんが、声の部分では引っ張れたと思う」というキャプテンは、周囲を鼓舞する声だけでなく、的確なカバーリングや粘り強い1対1で相手に立ちはだかり、「ゼロで抑えて勝利をつかむことができた。全員で勝ち取れて、いい試合になりました」と喜んだ。

 昨年度のプリンスリーグ中国では思うように勝ち点を伸ばせず、最終的にギリギリの10チーム中8位で何とか残留という結果だったが、今年度は開幕2連勝。「初戦で勝てましたが、1勝だけで満足せず、今年はプリンスリーグ全勝を目標にしている」という状況で、それに一歩近づく結果を残した。

 昨年度は全国高校総体と高校選手権も、どちらも県予選で瀬戸内高に敗れて出場できなかった。声とプレーでチームを引っ張る新中は「取れなかった夏と冬を、今年は絶対に取り返すために追い込んでいます。逃げずに全員で高め合って、きつい練習を乗り越えたら、勝利が待っていると思う。それを信じて、学年に関係なく高め合っていきたい」と言葉に力を込め、「広島で一番になることを当たり前にして、全国で広島皆実の名前をとどろかせることができるように頑張りたい」と決意を新たにしていた。

(取材・文 石倉利英)
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