beacon

[MOM3801]立正大淞南MFダ・シルバ・イゴル・ヤン(3年)_ブラジル由来のドリブラーが右サイドを制圧

このエントリーをはてなブックマークに追加

MFダ・シルバ・イゴル・ヤン(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.23 高円宮杯プリンスリーグ中国第4節 立正大淞南高 3-0 ファジアーノ岡山U-18 松江市営補助競技場]

 相手に立ちはだかれても、複数の選手で対応されても、ボールを持てばドリブルで仕掛けて突破し、鋭いクロスを送り続けた。立正大淞南高のMFダ・シルバ・イゴル・ヤン(3年)は持ち場の右サイドで徹頭徹尾、自分の特徴を発揮。後半43分に交代で退くまでチームの攻撃をリードし、勝利に貢献した。

 立正大淞南は開始直後から、岡山U-18のボールホルダーに激しくプレッシャーをかけていく。今季のプリンスリーグ中国では開幕から2試合連続の引き分けで(第2節は延期)、イゴル・ヤンが「前半の出来が課題だった。前半から全員で行こうとミーティングで話していて、しっかり守備でいけたのがよかった」と振り返る守備の強度で、まず主導権を握った。

 奪ったボールが右サイドに回ってくれば、イゴル・ヤンの出番。急加速とストップを織り交ぜる緩急の変化や、相手と競り合いながらも一歩前に出る力強さが光るドリブルで、何度もタッチライン際を切り割いてクロスを送る。ボールを奪われても、瞬時に守備へと切り替えてボールを追い、チーム全体で奪い返したボールが自分のところに来れば、同じようにドリブルで仕掛けてクロスを送った。

 ブラジル国籍の祖父と日本国籍の祖母の間に生まれた父と、ブラジル国籍の母を持つ。MIOびわこ滋賀U-15から立正大淞南に進んだのは、クラブの先輩がいることに加えて「練習に参加したとき、こんなに全員で元気良く、楽しそうにサッカーをしているチームは他になかった」という理由からだった。

 武器のドリブルは、中学時代は「相手に引っかかったりして、全然ダメだった」。それでも何度も仕掛けることで武器に磨きをかけ、昨年度から出場機会をつかむと、最終学年を迎えた今年度は、さらに破壊力が増した印象だ。

 後半34分には、こぼれ球に反応してのシュートから勝利を決定付ける3点目が生まれた。それでも本人は満足せず、「クロスやシュートをやり切るのが課題で、まだまだ突破が甘いし、自分がゴールを決めることも必要。もっとできると思うので、改善していきたい」と今後に目を向ける。

 昨年度の立正大淞南は全国高校総体に出場し、イゴル・ヤンも出場機会を得たが、高校選手権は一昨年度に続いて2年続けて出場を逃している。巻き返しを期す今年度の公式戦初勝利に貢献したドリブラーは「全国大会に出場して、活躍したいです。全員が強い気持ちでやっているので、ここから勝ち続けていきたい」と言葉に力を込めていた。

(取材・文 石倉利英)
▼関連リンク
●高円宮杯プリンスリーグ2022特集

TOP