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[関東Rookie League]味方のサポート、繋ぐことを徹底した帝京が0-3から大逆転!王者・静学に5発勝利

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昇格組の帝京高が静岡学園高に逆転勝ち。159cmMF竹下律はトップ下の位置でテクニックや逆を取る動きを発揮

[4.23 関東Rookie LeagueAリーグ第1節 静岡学園高 3-5帝京高 時之栖うさぎ島G]

 関東・静岡の強豪校の1年生が90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「2022関東 Rookie League」が23日、静岡県の時之栖うさぎ島グラウンドと時之栖裾野グラウンドで開幕した。Aリーグと全国大会をいずれも2連覇中の静岡学園高(静岡)と、昇格組の帝京高(東京)が初戦で激突。帝京が0-3から5点を奪い返して5-3で逆転勝ちした。

 帝京の指揮を執る松澤朋幸コーチは「やりたいことを徹底してやってくれた」と選手たちを讃えた。各選手がサポートすること、ボールに係ること、繋ぐことを徹底し続けた90分間。王者・静岡学園相手に堂々の内容で白星を挙げた。

 前半3分、PAでこぼれ球を拾った静岡学園FW山下輝大が先制点。静岡学園はさらに前半6分にもMF池田双葉の突破から、ラストパスをファーでフリーのMF阿部雄大が決めて突き放す。
 
 だが、ゲーム内容は帝京のペース。身長159cmと小柄ながら、トップ下でテクニックとアイディアを発揮したMF竹下律は「最初得点取られた時は正直焦っていたんですけれども、もう一回自分のプレーを出せたら良いなと思ってプレーしていました」という。

 そして、帝京は竹下が「(自分たちの特徴は)みんなでポゼッションサッカーをして、みんなでゴールを取れるところ」という良さを発揮する。竹下やMF大平南斗、MF堀江真広らが距離感狭くボールを動かしてリズム。右の大舘琉史朗、左の池戸虹成の両SBも積極的に攻撃に絡んでくる帝京は、竹下のスルーパスでFW森田晃が抜け出すなど決定機を連発する。だが、静岡学園も注目レフティーMF今野仁のスルーパスから山下がシュートを打ち切るなど攻め返す。

 そして20分、静岡学園は左サイドからドリブルで仕掛けた阿部がPKを獲得。自ら右足で決めて3-0とした。だが、帝京は怯まない。ボールを保持して攻撃を続けると23分、右サイドでのクイックスローインに反応した森田がDFと競りながら右足を振り抜き、ファインゴール。この一撃で勢いを増した帝京は前半28分、インターセプトからそのまま持ち上がった左SB池戸のゴールで1点差とし、その1分後にもMF永田煌が決めて同点に追いついた。

 0-3から3点を奪い返した帝京は止まらない。後半1分、クロスのこぼれから森田が決めて、大逆転。その1分後にも森田のアシストからMF前野輝人が5点目を挙げた。静岡学園は、今野仁の双子の弟のMF今野類らがボールを前進させ、今野仁や阿部、交代出場MF野田裕人のドリブルや左SB三原夕輝の攻撃参加も交えてゴールを目指し、山下がシュートへ持ち込む。

 だが、帝京はCBラビーニ未蘭らDF陣が球際で粘り強く守り、後半は無失点。竹下は「正直もっと回せると思いますし、最初のところで3点取られたんですけれども自分たちのサッカーをできたところは良かったと思います」と喜んだ。

 帝京の竹下は「自分は相手の逆を取ることが好きなので、そういうところは出せたかなと思います。自分はちっちゃいんですけれども、それでもボールを獲らないところ見て欲しいです。1年からトップで出たいですし、選手権で優勝を目指しています。(ルーキーリーグの目標は)優勝です」とコメント。けが人が多い状況ながら、選手層の厚さも示して王者を撃破した帝京が、全員で味方をサポートしながら繋いで、攻めて、勝ち続ける。
 
(取材・文 吉田太郎)
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