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武南の2年生エースMF松原史季は2ゴール演出も満足感無し。浮かれず、成長と結果求め続ける

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武南高の2年生エースMF松原史季がシュートを打ち込む

[4.27 関東大会埼玉県予選準決勝 成徳深谷高 1-2 武南高]

 本人は求めていた結果を残すことができずに不満の表情。内野慎一郎監督も「今日は、全然ですね」と厳しい評価だった。武南高のMF松原史季(2年=浦和レッズジュニアユース出身)は随所で技巧を発揮し、2ゴールを演出するなどU-16日本代表候補の実力の一端を示したが、試合後の表情は晴れなかった。

 前半30分、味方が身体を張って跳ね返したボールを斜めのスルーパスで先制点に結びつけた。後半27分にもバイタルエリアでDFを引き付けてからの正確なパスで2点目を演出。その他、ファーストタッチでピタリとボールを止めてシュート、そして崩しのパスを狙っていた。

 2列目からゴール前へ飛び出してヘッドを打ち込み、パンチのあるシュートを枠に飛ばすなど、この日は両チーム最多のシュート4本。だが、強引なドリブルでロストするシーンやプレースキックの精度を欠くシーンもあった。

 無得点に終わったことを悔しがり、2得点に絡んだことについても、「どちらの得点も(味方の)フィニッシュが良かった。自分が顔を上げたタイミングで動き出してくれた」と仲間に感謝。1年前、1年生MFとして臨んだ関東大会予選準決勝ではPK戦でキッカーに名乗りを上げて決めきり、強心臓ぶりを見せつけた。その後、10番を任され、U-16日本代表候補にも選出。経験を重ねて2年目を迎えた松原は、自分に求めるレベルを引き上げている。

 3年生をサポートし、1年生の良い見本になることを意識。「(2年生は)ちやほやされる代じゃないので、責任感を持って、自分のことだけじゃなくて、チームの雰囲気作りとか声を出して、やっていきたい」と力を込める。

 そして、「(マークされることが分かっている中で)どう打開するかは今日全然足りないなということは感じたので、決勝もありますし、関東大会もあるので、チームとしても、個人としても、もう一段階成長できれば良いと思います。やっぱりフィニッシュの精度と得点に係る、ボールに係る回数をもっと増やさないといけないと感じています」と語った。

 内野監督が「アイツはサッカー小僧なので」と評する松原。昨年の活躍で注目度が上がっているが、ここからさらに積み重ねるために本人も、チームも貪欲だ。フィジカル面、メンタル面、ピッチ外も含めて計画性を持って取り組んでいる最中。本人も理解している通り、運動量、アイディア、そして技術力の部分もまだだまだ進化の余地はあるだけに、浮かれず、一つ一つ課題をクリアし、結果を残し続けてまた代表入りのチャンスを掴む。
 
(取材・文 吉田太郎)

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