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浮き球をピタリと止め、無理がきく良さも発揮。帝京FW齊藤慈斗が攻守で印象的な働き

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帝京高FW齊藤慈斗は巧さと強さ、献身性でも勝利に貢献

[4.29 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第5節 西武台高 0-2 帝京高 西武台高校第2G]

 帝京高の日比威監督は完封勝利に貢献したCB大田知輝(3年)とともに、背番号13のストライカーに対してもマン・オブ・ザ・マッチ級の評価を与えていた。FW齊藤慈斗(3年=バディジュニアユース出身)は一見難しそうな浮き球のピタリ、ピタリと止め、身体の強さを活かしたボールキープ力も発揮。味方の攻撃時間を大きく伸ばしていた。

「練習から止める・蹴るの練習が結構あって活きている。浮き球は得意ですね。自分は収めるのが得意なので、(前後左右)3mくらいならば収められる」と口にする。圧倒的なフィジカルや一瞬のスピードが目立つ齊藤だが、ボールタッチも柔らかい。本人の言葉通り、多少ズレたボールも足先でコントロール。昨年度選手権得点王のFW鈴木章斗(阪南大高→湘南)のような動き。その齊藤はPAでの巧みなボールコントロールから落ち際を左足で叩くなど見せ場を創出していた。

“無理がきく”強みも健在だ。前半31分の先制点はCKのこぼれ球に齊藤がいち早く反応してシュートを打ち切ったことから生まれたもの。2点目のシーンも彼がPAで潰れた流れから決まっている。DF2人相手でもキープし、味方に繋いだほか、スプリントを繰り返すなど際の強さ、頑張る力をこの日も発揮していた。

 後半には、相手ボランチが迎えたシュートチャンスに対し、「危険だと思ったので」と前線から戻ってブロックするビッグプレー。攻撃でも、守備でも存在感を放った齊藤だが、ゴールを決められなかったことを悔しがる。

「あと一歩なんですけれども。しっかりと獲れていければいい」。帝京が勝ち続けるためにはエースストライカーのゴールが必須。今季リーグ戦ではまだ無得点だが、クロスからゴール前へ飛び込む動きの質も向上して来ている。高校からのJクラブ加入を目指す注目FWは「あと一歩」から改善し、結果の部分でも輝く。 

(取材・文 吉田太郎)
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