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指揮官「スーパー」。興國DF西川楓人はプロ入りした先輩たちに続き、高校サッカーを代表するCBへ

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興國高DF西川楓人は高校サッカーを代表するCB、そしてプロへ

[4.30 高円宮杯プリンスリーグ関西1部第5節 興國高 4-2 報徳学園高 J-GREEN堺 S3]

 一昨年は5人、昨年も4人の高卒Jリーガーを輩出している興國高(大阪)の新たなプロ候補選手だ。CB西川楓人(3年=川上FC出身)は1年時からAチームの公式戦を経験。内野智章監督が「(対人の強さやビルドアップ含めて)とにかく西川がスーパー。西川が全部ラインコントロールして、オーガナイズは後ろでやっているので」と信頼を寄せる注目株は、185cmの高さと戦う姿勢、そして先輩たち以上の自負を持つ高精度キックも特長としている。

「1年の時からトップでやらせてもらっていて、試合に出させてもらって、2年の時も試合に出させてもらって、僕らの代はトップで経験している人が少ないし、自分が一番経験しているので引っ張っていかないといけない」と西川。この日厳しいチェックや的確なカバーリングを見せていたDFリーダーと空中戦で対戦相手を圧倒するCB常藤奏(3年)とのコンビが、例年以上とも言える守備の堅さを生み出している。

 反省材料もあった。前節まで3試合連続1-0での勝利を続けていたが、この日はミス絡みで2失点。特に西川は前半44分のシーンを反省する。抜け出してきた報徳学園高の注目FW坂元一渚璃(3年)の前に身体を入れてブロックしながらも、一瞬の隙を突かれる形でボールをつつかれて失点。後半は坂元とのマッチアップで強さを示し、抜け出そうとする相手を一発のタックルで止めるなど立て直したが、本人は満足していなかった。

「あの1プレーがあったし、もっとチームのためにやらないかんと思った。もっとチームを助けるプレーとか鼓舞しないといけない」。目標としている姿に近づくためにはまだまだやらなければならないと痛感している。

「絶対に日本で一番のCBに。まだまだなれていないので、日本一のCBになって、プロでも活躍して、海外に行って、代表に入って活躍したいです。まだ全然足りないですね。ヘディングのところでもまだ被っているところがあるし、絶対的なDFは最後頼りになる選手や、チームを常に盛り上げて戦う選手やと思う」。まずは守備の基本から磨き、際の攻防で足が出ていた先輩CB平井駿助(横浜FM→青森)らのレベルまで守備力を引き上げ、より戦う姿勢を表現していく覚悟だ。

 憧れの存在は、世界最高峰のCBフィルヒル・ファン・ダイク。「キックや対応のところとか見て真似しています。落ち着きが全然違います。1対2の状況でも落ち着いて対応している」。DF藤原優大(青森山田高→浦和→相模原)やDFチェイス・アンリ(尚志高→シュツットガルト)のような高校サッカーを代表するCBに「なれる自信はあります」。全国舞台で周囲から認めさせるようなプレーをしていた彼らのように、結果で評価を勝ち取る。
 
(取材・文 吉田太郎)
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