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駒澤大高は東京決勝で惜敗も、我慢強さや勝利への執着心を変化させる5試合に。「新しいものを積み上げて」次へ

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駒澤大高は関東大会予選で学んだことを活かし、次の戦いへ

[5.5 関東高校大会東京都予選決勝 駒澤大高 0-1(延長)成立学園高]

 徐々にペースを掴み、相手ゴールを脅かす回数を増やしていた駒澤大高だが、悔しい準優勝。それでも、決勝まで5試合を戦い、関東大会の出場権とインターハイ予選のシード権を獲得できたことは大きい。

 亀田雄人監督は「経験不足が凄く大きな代で、勝ちながら色々なことを学んでくれたと思います。この1か月で大分変わったんじゃないかと思います」と選手たちの成長を認めていた。

 特に変化が見えたのが我慢強くなったことと、勝利への執着心が表現できるようになってきたこと。どこか淡々と戦っていたチームが、真剣勝負を重ねる中で勝つために必要なことを学び、最後の一歩を踏み出したり、球際で身体を張るようになった。

 紙一重の勝負で敗れた決勝の経験も次に繋げなければならない。亀田監督は「まだこの子たちの甘さだと思う。このゲームに対する執念が少し足りなかった。今日、最後突きつけられているんじゃないか、と話をしました」と指摘し、FW加茂隼主将(3年)も「(勝敗を分けたのは)気持ちですかね。成立さんの方が勝ちたいという気持ちがあったと思うし、自分たちもそれが無かった訳ではなかったんですけれども、どこかで隙があったんじゃないかなと思います」と反省していた。

 そして、加茂は「もっと成立を飲み込むくらいの勢いを自分たちは持っていかないと。亀田先生が言われるのは、歴代の先輩たちは殺気立っているくらいだったと。そういうのが自分たちはまだ足りないと思っているので、自分が率先して上を目指したいんだろうと伝えてやっていきたい」と加えた。

 駒澤大高は15、16年度の全国高校選手権で2年連続8強。その時期の先輩たち同等の実力、メンタリティーまで引き上げなければならない。今冬はコロナ禍で練習や対外試合が十分にできず、けが人が多い中でも準優勝したことは間違いなくプラス材料。この経験も活かし、関東大会、インターハイ予選へ向けてチームをレベルアップさせていく。

 亀田監督は「今負けて悔しいと思っていると思うので、その気持ちを大事にさせながら、一人ひとりも、チームとしても成長できるように」と語り、加茂は「ここ1か月で自分たち戦う部分を積み上げてきたので、それは本戦でも絶対に活かせると思う。新しいものを積み上げて本戦に向けて頑張っていきたい」。攻撃面や気持ちの面など成立学園との差になった部分を見つめ直し、整理して次の戦いへ向かう。

(取材・文 吉田太郎)

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