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[球蹴男児 U-16]名将が“最後にスカウトした世代”の強力ストライカー。FW坂本錠は“総附のロナウド”に

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長崎総合科学大高の強力FW坂本錠は1得点に終わったものの、1人で10本以上のシュートを打ち込んだ

[5.4 球蹴男児 U-16D1第2節 長崎総合科学大附高 1-3 九州国際大付高 大津町運動公園球技場]

「2022 球蹴男児U-16リーグ」の開幕集中開催で特に存在感ある動きを見せていたのが、長崎総合科学大高FW坂本錠(1年=川崎市立川中島中出身)だ。

 180cm近い長身で、フィジカル能力の高さや切り返しのタイミングの良さ、シュートへ持ち込む動きが印象的なストライカーだ。チームの初戦となった九州国際大付高戦では、連続の切り返しでDFを翻弄してから放った左足シュートで1得点。この日は、得意の切り返しでDFを外してからのシュートや、縦パスで強引にDFと入れ替わってからのシュートなど1人で11本ものシュートを打ち込んだ。

 また、前線で身体を張った動きも見せ続けていたが、この日はGKをかわして放ったシュートがサイドネットへ飛び、クロスを1タッチで合わせたシュートがポストを叩くシーンも。後半のこぼれ球に反応したシュートと抜け出しからGKと1対1になったシュートは、特に決めなければならないものだった。

 1得点に終わった坂本は、ゴール前で慌ててしまったことを反省。「FWとして役目は点を獲ることなので。今日は逃してしまって勝たせることができなかたので、次からは点を獲ってチームを勝たせたいです」と引き締め、シュート練習を重ねることを誓っていた。

 坂本は中学2年時まで川崎フロンターレU-15でプレー。高校サッカーに憧れて退団し、中学3年時は中体連の川中島中でプレーした。「お亡くなりになってしまったんですけれども、小嶺(忠敏)先生の下で環境を変えたいと思って」長崎の名門へ進学することを決意。早速Aチームの宮崎日大高との練習試合に出場し、いきなり3得点を挙げて先輩たちやコーチ陣を驚かせている。

 現在の高校1年生は今年1月に亡くなった名将、小嶺忠敏前監督がスカウトした最後の世代。地元の関東とは異なる環境で自分を磨くFWは、「どんなところからでもゴールを狙えて、チームから頼られる選手になりたいです。目標は元ブラジル代表のストライカー、FWロナウドのような点取り屋になること。長崎総科大附で努力を重ね、走力や筋力、そして技術力を高めれば面白い存在になりそう。“総附のロナウド”と呼ばれるような活躍を続け、プロへの階段を駆け上がる。

(取材・文 吉田太郎)
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