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“赤い彗星”の「7」は異質の速さ。東福岡MF浦十藏は注目、期待を「上回る」活躍を

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Jクラブ注目の高速ウイング、東福岡高MF浦十藏

[5.15 高円宮杯プレミアリーグWEST第7節 東福岡高 2-1 履正社高 東福岡高G]

 怪我を抱えていたこともあり、76分間のプレーに全く満足はしていなかった。タッチがわずかに乱れてやり切れなかったシーンもあった。それでも、東福岡高MF浦十藏(3年=サガン鳥栖U-15出身)は、立ち上がりのファーストプレーから異質のスピードを披露。“赤い彗星”東福岡のオープン攻撃の中心として、抜群の存在感を放っていた。

 この日、劇的な決勝点を決めたMF落合琉鴻(2年)は、先輩アタッカーについて「チームを鼓舞してくれますし、持ったら何か起きそうですし、必要な選手」と説明する。特に前半は右サイドにボールが入ると、“何か起きそう”な空気感。快足を活かしてオープンスペースへのボールに追いつき、DFの前に出てラストパスへ持ち込んだ。

「毎試合そうなんですけれども、自分、スピードでは絶対に負けないと思っているので、自分のサイドから攻めてファーサイドで決めたり、右から崩すことをやっている」。相手DFの後方から追い抜いてマイボールに変えてしまうスピード、仕掛ける力は味方ベンチも驚かせていたほどだ。

 この日は警戒されている中で形にならなかったが、浦はシュートへ持ち込むことを意識。縦へ行くと見せかけて中へ切れ込み、足を振ろうとしていた。高校屈指のスピードスターは今年、J1クラブへの練習参加を経験。前線の選手たちのシュートで終わる意識の高さを肌で感じたという。

「自分はドリブルで仕掛けてクロスまでは結構上げられたいたんですけれども、最終的にシュートというのは多くて3本くらいでした。シュートの意識を高めて決定的な仕事ができるようにしたい」。自ら仕掛けて奪いに行くことに加え、森重潤也監督の助言によって逆サイドからのラストパスを決め切ることも目指している。

 昨春、鳥栖U-18から福岡の名門校へ転籍。プレミアリーグで活躍し、選手権は全国大会のピッチに立った。ただし、2回戦で敗退。「悔しい思いをした」というMFは今年、注目以上の活躍を見せる意気込みだ。

「プロに行ったとしても1年目から出れる選手になりたいですし、個人の質を高めて行って、注目されても、それを上回るくらい自分のスピードや決定的な仕事ができるようにしたい」と力を込めた。

 そして、「全国行くのは、東福岡は当たり前にしたいですし、インターハイがもうすぐ始まるんですけれども、県大会は圧倒しないと全国でも優勝というところは見えてこないですし、県予選からしっかり自分たちの持っているものを出して、福岡県を圧倒して全国大会で目標を達成できるようにしていきたい」。目標は全国制覇。「(自分が)もっと頑張らないといけないです」と成長欲を口にする超高速ウイングが、周囲の注目、期待を超える活躍で東福岡を目指す舞台へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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