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初戦は0-7。MF諏訪晃大主将中心に「この先どうなるんだと…」の大敗を無駄にせず、桐生一はプレミア6戦目で初白星

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後半45+3分、桐生一高MF諏訪晃大主将は右サイドから仕掛けて決勝点をアシスト

[5.22 高円宮杯プレミアリーグ EAST 第8節 桐生一高 2-1 青森山田高 太田陸]

 プレミアリーグ6試合目で初白星。桐生一高(群馬)のMF諏訪晃大主将(3年=COSPA FC出身)は歓喜の試合後、「今の率直な気持ちとしては嬉しい、ホッとしたという気持ちです」と心境を明かした。

 待望の初白星までの道のりは、険しいものだった。初陣となった第2節・横浜FMユース戦は0-7で完敗。主将は「あの時は寝る時も夢に出て来るくらいシンドかったですし、この先どうなるんだと……」と振り返る。
 
 ショックは大きかった。プレミアリーグの戦いの厳しさを思い知らされた。だが、下を向かなかった。諏訪は「そこで自分が下を向くんじゃなくて、一人ひとりの切り替えのためにも自分が声を出して、プレーの強度のところを落とさずに、そして、全員でミーティングをして。0-7ということを無駄にせずにプラスにできたということが一番良かったところだと思います」と胸を張る。

 0-7で自分たちの甘さに気づき、全員で前を向いて改善。その後もなかなか白星を挙げることはできなかったが、積み上げてきたことがこの日の白星に繋がった。桐生一はここまでの7試合で登録30人中24人がプレミアリーグに出場。初戦でベンチスタートだったMF岩崎隼星(3年)や右SB小泉郁歩(3年)が先発に定着するなど、競争を経て台頭する選手も出てきている。

 昨年のMF金沢康太とFW寶船月斗(ともに現流通経済大)のように、抜きん出た選手がいる訳では無い。ただし、主将の存在はやはり大きい。この日も諏訪は体力的に苦しい時間帯でボールを前進させ、決勝点を演出。悩みながらもそのチームを背中で引っ張ってきた男が勝利に大きく貢献した。

 だが、本人は全く満足をしていない。「(仕掛ける回数、シュート数の少なかった)きょうみたいなプレーは絶対に減らしていかないといけない。もっとボールに係わって自分がゴール決めるくらいにやらないと。チャンスで終わりたくないので、ゴールを絶対に決めていきたい」と誓う。

 入学当初から期待され、今年は10番と主将の大役を担う。「キャプテンやらせてもらって10番も背負わせてもらっているので、先輩たちの気持ちも受け継いで自分たちが初のプレミアの舞台でやらせてもらっているので、絶対に残留はしなければいけないですし、今までの先輩たちよりももっと桐生第一の名を残せる世代にしたいです」と力を込めた。今後も悔しい思いをするかもしれない。だが、大敗にも前を向いてチームの先導役となってきたリーダーは折れることなく、桐生一のために戦い続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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