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見て欲しいところは「走りっぷりですね」。名門・桐光学園で台頭中の1年生WB杉野太一

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この日も桐光学園高の右サイドで精力的な動きを見せていたWB杉野太一

[5.30 関東高校大会Aグループ決勝 桐光学園高 1-4 明秀日立高]

 入学から2か月。期待のサイドプレーヤーは、良い意味で1年生らしさが消えつつある。桐光学園高(神奈川)の右WB杉野太一(1年=横浜F・マリノスジュニアユース出身)は「ピッチに入ったら学年関係なくやるのが、自分の中である」という言葉通りの堂々の動き。先輩選手に対してもキツめの言葉で指摘し、自らは人一倍走ってチームを活性化させている。

「未熟ですけれども、走るとか声を出すことは1年生でもできますし、自分技術ないけれどそういう部分は出そうと思っています。まずは自分のサイドの人に負けない、走り負けないことですね」。今大会は肉体的な負担も考慮されて先発出場は初戦のみ。それでも全試合で起用され、やるべきことに全力で取り組んでいた。

 SFAT(エスファット) ISEHARA SC時代からメンタル面や走る力を鍛えられてきたという。横浜FMジュニアユースでも走ることを要求され、何本もスプリントできる選手に。中学1、2年時はSBで3年時はCBだったが、「神奈川県と言ったら桐光学園」と語る強豪校で再びサイドプレーヤーとしての道を歩み始めている。

 関東大会出場を懸けた神奈川県予選準決勝ではスプリントを繰り返して先制アシスト。準々決勝でもクロスからアシストを記録するなど、走力や強度に加えて、得点を演出する部分でもチームの勝利にも貢献している。

 1年生の中では“面白キャラ”でまとめ役も買って出ているという将来のキャプテン候補。見て欲しいポイントは「走りっぷりですね」と微笑む杉野だが、プレーヤーとしてはまだまだ物足りないと感じている。

「今日コーチにも言われたんですけれども技術の面ですね、走りはやれているんですけれども、細かな技術の面、ボールが入った時に何ができるか。見ている人たちをワクワクさせるようなプレーが全然できていないので、練習していきたいと思っています」

 小学生時代にFWだったこともあり、「攻撃したい」という意欲の持ち主は、技術力も高めてゴールを奪うこと、コンビを組むMF松田悠世(2年)と右サイドを崩すこともテーマ。この後は高校進学後初の全国大会出場を懸けたインターハイ予選がスタートする。

 鈴木勝大監督は「今年の夏出て、しっかり自分たちの立ち位置を確認して冬殴り込もうと言っているので、あと2週間あるのでしっかりと立て直していきたい」と語っていた。その中で杉野もチームとともに課題を改善すること。そして、「できることを最大限に出して、チームが勝つことに貢献できれば良いと思っています」。インターハイで自分の立ち位置を確認するためにも、必ず予選を突破する。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2022

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