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[MOM3934]C大阪U-18MF皿良立輝(2年)_メッシとイニエスタのハイブリッドを目指すレフティが驚異の1試合4ゴール!

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1試合4得点の大暴れで得点ランキング2位タイへと浮上したセレッソ大阪U-18MF皿良立輝

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.2 高円宮杯プレミアリーグWEST第11節 C大阪U-18 7-1 清水ユース セレッソ大阪舞洲 天然芝グラウンド]

 実は同点弾となったチーム1点目の得点者は、なかなか判明しなかった。コーナーキックからの混戦で、少しわかりにくいゴールだったこともあって協議が続く中、そのコーナーを蹴った12番が「自分のゴールだ」としきりにアピールしていた姿が微笑ましい。それが実ってかどうかは定かではないが、願いは通じる。驚異の1試合4得点。プレミアの舞台で躍動が止まらない。

「今日の試合前もシン(木下慎之輔)と冗談で『バチバチやな』と言っていて(笑)、今シーズンは先にシンが爆発して、自分も徐々に点が入るようになってきてという流れはある中で、シンもチームメイトなので対抗心はそこまでないですけど、僕も得点王は狙っています」。

 7試合出場で9ゴール。セレッソ大阪U-18(大阪)の野心あふれるアタッカー。MF皿良立輝(2年=セレッソ大阪U-15出身)が堂々とプレミアリーグの“得点王”争いに名乗りを上げている。

 前半13分。右サイドで獲得したCK。1度目に入れたボールはDFに弾かれたが、再びCKを蹴る機会を得た。その2度目。「相手がゾーンで守ってきていることは映像を見ていてわかっていたので、(白濱)聡二郎を狙ってファーサイドに蹴ろうと。風があったので思ったようにはいかなかったんですけど、キーパーがちょっと前に出ていたので、上手く風に乗ってくれました。自分の得点です(笑)」。まずはセットプレーで、1点目。

 39分。その2分前に自らのアシストでゴールを決めたMF末谷誓梧(3年)から、お返しのような優しいパスが足元へ届く。「誓梧が持っている時に自分の前にスペースがあったので、『走ったらもらえるんじゃないか』と思ったら良いボールが来て、左足で打とうと思っていたんですけど、ちょっとトラップが大きくなってしまったのと、キーパーが出てきていたので、右足のつま先でツンと蹴ったら浮きました」。華麗なループで、2点目。

 45+2分。DF伊藤翼(3年)、MF清水大翔(2年)、MFエレハク有夢路(1年)とテンポ良く繋いだボールが、皿良に託される。「ちょうど間で受けて、自分の蹴りやすい位置に止められましたし、前を向いた時にディフェンスがちょっと下がっていたので、『これは行ける』と思って、良い感じに決まりました。良いボールが入ってきましたね」。利き足の左で、3点目。



 後半11分。左に開いた木下から、丁寧なラストパスを引き出す。「たぶん敵が2枚ぐらいいたと思うので、横に剥がして右足で打とうと思って、またぎを入れてから打ったら、ちょっと相手に当たって良いコースに行ってくれました。右足も一応ユースに入ってからは練習しているので、その成果が出ているのかなと思います」。利き足とは逆の右で、4点目。左足で2発。右足でも2発。圧巻の4ゴールで、2年生レフティがチームの勝利に大きく貢献してみせた。

 小学生の頃から桜色のウェアに身を包んできた皿良だが、昨年から指揮を執っている島岡健太監督の指導には衝撃を受けたという。「自分はジュニアからセレッソにいて、技術を武器としてきたんですけど、島岡さんと会った時に『全然ボールが止まっていない』と言われて、衝撃を受けたんです。それから『絶対技術のところは負けないようにしよう』と思って、“止める、蹴る”はずっと意識してきました」。

「実際に『これができたらすぐに前を向けるし、次の行動が早くなるな』とすぐ思いました。技術があれば守備をする時間も減りますし、自分たちがボールを持つ時間も長くなりますし、相手を剥がせるので楽しいですね」。その中でも何よりこだわるのはゴール。自分の結果でチームを勝利に導き、自分の居るべきステージをさらに押し上げていく未来も、確実に視界へ捉え始めている。

 目指すべき選手像を尋ねると、痛快な答えが返ってきた。「メッシとイニエスタをよく見ています。メッシってシンプルに凄いじゃないですか。“シンプルに”というところは自分でも小学生の頃からずっと練習している部分があって、『メッシみたいになりたいな』と思っていたんですけど、テクニックのところはイニエスタ選手が抜群に上手いですし、真ん中のところでもボールを失わないので、そこは目標にしています。その2人なら、最強ですよね(笑)」。

 メッシとイニエスタを掛け合わせた、最強のアタッカー。目標はどれだけ大きくても、大き過ぎることはない。若桜のアグレッシブ過ぎるレフティ。皿良はより貪欲に、よりスペシャルな存在へと駆け上がる覚悟を、しっかりと携えている。



(取材・文 土屋雅史)
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