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「チームを引っ張る意志をもっと…」の助言で変化。奈良育英の2年生CB奥村央樹がリーダーシップ持って強敵に対抗

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奈良育英高CB{{奥村央樹(2年)がロングボールを弾き返す

[7.9 高円宮杯プリンスリーグ関西2部第1節 東山高 1-1 奈良育英高 東山高G]

「ここでもう一回私生活から見直して、監督さんにも色々な話をされて、そこで自分自身もう一回変わって、東山戦で絶対に勝つと思ってやっていました。(梶村卓監督からは)『チームを引っ張るという意志をもっと持ってやるべきだ』と」

 ここまでリーグ戦5連敗中だった奈良育英高は、東山高にシュート14本を打たれながらも1失点でドロー。初先発の155cmGK瀧川笑玄(2年)の好セーブとコーチングが特に光ったが、CB奥村央樹(2年)を中心としたDF陣の健闘も大きかった。

「自分自身、足はそんなに速くなくて、ポジショニングで触るみたいな感じなので、フィジカル活かすよりは頭で考えてというタイプです。最後は足伸ばしてちょっとでも触れるように意識している」という奥村は、DFラインの中心となって声を出し、ゴール前に入ってくるクロス、セットプレー、そしてシュートをポジショニング良く弾き返していた。

 Jクラブ内定選手も擁する東山高が格上の存在あることを理解した上での戦い。「個々の能力は高くて、(C大阪内定の)阪田澪哉選手はスピードに乗せたら止めれなくて。でも、それを止めるのがDFの仕事で、どうやったら止めて攻撃に繋げられるかということを話し合ってやっていました」。奥村は自身よりも大柄な相手に強く当たれない部分があったことを反省。だが、自分たちで崩れることなく、声を掛け合いながら、また我慢しながら戦い抜けたことを評価していた。

 この日、奈良育英は1、2年生7人が先発。奥村は悔しい思いをしている3年生のためにも戦い、チームを引っ張るという意志を持って声を張り続けて勝ち点1獲得に貢献した。レアル・マドリーのリーダーであり、自身よりも大柄な選手に競り勝ち、足元の力も発揮するスペイン代表CBセルヒオ・ラモスが憧れ。「あんまり身長はデカくないんですけれども、競り合いで負けなかったり、ポジショニングを意識してインターセプトを狙うなど前へ繋げる選手になりたい」と語るDFが、この日得た自信も胸に伝統校をより引っ張る選手になる。

(取材・文 吉田太郎)
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