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柏U-18は中盤挑戦中のU-17代表DF田村心太郎が存在感ある動き。判断、精度研ぎ澄ませて「自分が勝たせること」

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貢献度高い動きを見せていた柏レイソルU-18MF田村心太郎

[7.10 高円宮杯プレミアリーグEAST第12節 前橋育英高 1-1 柏U-18 前橋育英高G]

 柏レイソルU-18は、後半終了間際の失点でドロー。勝ち点2を失う結果となったが、新ポジションに挑戦中の2年生MFが存在感のある動きを見せていた。

 MF田村心太郎(2年)は柏レイソルU-15時代、左のCB。高校1年生だった昨年は、主に3バックの左を務めて12試合に出場している。また、年代別日本代表では左SBとしてプレー。その2年生は今季、4-3-3のアンカーやボランチで起用されている。

 この日は、前半から運動量を増やして味方のボール奪取に貢献。奪ったボールを失わずにキープし、テンポ良く左足で動かすなど落ち着いた動きを見せていた。後半はDFラインに入る時間帯も。前半と異なり、押し込まれ続ける中でビルドアップの特長を十分には表現できなかったが、酒井直樹監督も「きょうは守備も含めて頑張っていたので。タフに走っていた。ボール奪ってファウルもらってプレー的に完結していたところもあった。欠かせないですね」と高く評価していた。
 
 田村は昨年、「プロに行った(現柏の田中)隼人や(現甲府の大和)優槻に任せられたというか、自分は自由にやらせてもらって成長することができた」と振り返る。より責任を負う立場となった2年目に新たな挑戦。中盤では予測力を活かした守備や、正確な繋ぎを見せているが、本人は「まだ、慣れません」と苦笑する。

 特別なサイズがないからこそ、DF、MFの両方のレベルをプロで戦えるものにすること。将来へ向けても重要なMF挑戦だ。その中で田村は、「(柏U-15の先輩で現在前橋)育英の(徳永)涼とか、同年代の良いボランチを参考にしている。もっと自分がポイントになって進めていきたいし、もっと積極的になってやっていきたい。シュートやアシストも何でもできるオールラウンダーみたいな選手を目指しています」と前向きに取り組んでいる。

 J1上位の強豪・柏で評価を勝ち取り、トップチームに昇格、活躍することは容易なことではない。現在、ポテンシャルの高さを示しているが、酒井監督は「彼は上手いので今年、アンカーとかボランチをやらせているんですけれども、(課題は)360度ある中での連続性です。あと、ゴール方向の判断とか研ぎ澄まして、狙ったところに差し込む精度です。完璧じゃないのでもっと安定してこないといけない」とより高いレベル、パーフェクトに近いスキルと判断を求める。

 田村が中盤のプレーヤーで目標としているのはマンチェスター・シティのMFロドリ。目指す姿のようにボール奪取力を発揮し、得点も重ねるなど攻撃面でもU-18チームを勝たせてトップチームでのチャンスを掴むか。

「プロになりたいのが一番です。高校あと1年半しか無い中でプロに呼ばれるために試合に勝ち続けることもそうですし、きょうみたいな試合をしないで自分が勝たせることをプロになってもできるように挑戦していきたい。先を見ることも大事ですし、一戦一戦勝ちにこだわりつつ、自分の良さも出して行って、常に見られていることを意識してやっていきたいです」。貪欲に成長を求めて、評価を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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