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3連覇逃すも、青森山田は前向きな7試合。MF 小栁一斗はボランチ復帰で貢献度大の動き

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中盤でのボール奪取など決勝でも効いていた青森山田高MF小栁一斗

[8.10 和倉ユース決勝 青森山田高 0-0(PK0-1)日大藤沢高 城山陸]

 相手に攻撃機会をほとんど与えずに押し込み続け、ゴール前のシーンを量産していた。それだけに、選手たちは敗戦の実感が湧かない様子。3連覇を達成することができず、悔しい準優勝に終わったが、青森山田高の選手たちにとっては貴重な7試合になったようだ。

 この日指揮を執った正木昌宣コーチは「発見できた選手が何名か出てきました」と選手層の向上、バリエーションが増えて「色々な組み合わせができる」ことへ前向きな評価。初戦敗退に終わったインターハイ後、オフを挟んで走り込みやプレッシングのメニューを実施してきたチームは、強豪校との連戦で4試合の無失点と次に繋がる結果も残した。

 決勝戦も日大藤沢高が狙いとするビルドアップを封じ、最後まで走り切って無失点。正木コーチも「タフに戦えるにようになった」。その一方、「守備のところで1、2本カウンターを受けたところがあったので改善しないといけない」。この日は無失点で切り抜けたが、プレミアリーグのFWはその1本、2本を決めてくる。それだけに、選手たちはより1本にこだわってプレーする考えだ。
 
 今回の和倉ユース大会では、右サイドに入ったMF奈良岡健心(3年)が圧倒的なスピードを発揮。また、右サイドからボランチへポジションを戻したMF小栁一斗(3年=栃木SC U-15)が貢献度の高い動きを見せていた。

 本人は決勝のプレーについて満足していなかったものの、準決勝では中盤でボールを奪い切って速攻やサイド攻撃に繋げるなど存在感。よりチームに貢献するため、攻撃時のロストを減らすこと、また「守備の強度をもっと上げて、ハイプレスでもう一歩二歩寄せて行きたい」と相手の攻撃を封じ込むことを誓っていた。

「インターハイから(チームは)守備が課題になのでゼロにこだわっていきたい。日頃から(黒田剛監督にも)被シュートゼロで行けと言われているので、こだわっていきたい」。コンビを組んだMF芝田玲(2年)やDFラインとの関係性を向上させ、相手に1本のシュートも打たせず、勝利することを目指す。

 インターハイの結果はエネルギーに。小栁は「インターハイはもっとやれたというのは一番あります。あの悔しさは二度と忘れることはないので、プレミア(リーグ)とか選手権とかに活かしていきたい。去年が強かった分、自分たちも(周囲から常勝を)求められているけれど目の前の試合を100パーセントで臨みたいです」。1試合1試合に集中。選手権決勝まで全力で戦い、学び続けて結果を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)

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