beacon

広島ユースが広島県高校選抜U-18を攻守で圧倒し、6-1快勝。プレミア後半戦へ弾み

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半36分、サンフレッチェ広島ユースは交代出場MF鳥井禅音が6点目のゴール

[8.11 Balcom BMW CUP第3日 広島県高校選抜U-18 1-6 広島ユース 広島広域公園第一球技場]

 11日、「HiFA 平和祈念 2022 Balcom BMW CUP 広島ユースサッカー」最終節が行われ、サンフレッチェ広島ユースが広島県高校選抜U-18に6-1で快勝。2勝1敗の2位で大会を終えた。

 昨年のプレミアリーグWESTで優勝するなど数々のタイトルを獲得して来ている広島ユースと、広島県の高体連加盟チームから選抜された広島県高校選抜U-18。ともに今大会は1勝1敗同士、2位の座を懸けた戦いは、プレミアリーグWESTの後半戦で巻き返しを狙う広島ユースが快勝した。

 この日、インターセプトを連発していたMF井野佑優(3年)が「(過去2試合は)入りのところで自分たちのペースに持って行けなかったというのがあったので、今日の試合は入りから自分たちの特長であるプレスをしっかりと掛けて、自分たちのペースに持って来れたかなと思っています」と振り返ったように、広島ユースは立ち上がりからアプローチ鋭いディフェンスでペースを握る。

 10番MF笠木優寿(3年}がこの日は普段よりも下がり目のボランチの位置で存在感。幅を広く使った攻撃を繰り出し、右の俊足SB滝口晴斗(3年)が空いたスペースへ駆け上がって行く。

 19分には滝口と入れ替わる形で後方へ下りた右SH木村侑生(2年)がダイレクトで縦パス。これを受けた滝口がスピードを活かしたドリブルでPAへ侵入し、PKを獲得した。自らキッカーを務めた滝口が右足シュートを左上隅に決めて先制。流れ良くリードを奪った広島ユースがその後も得点を重ねる。

 24分には、井野のインターセプトを起点とした攻撃から笠木が左サイドへはたく。MF高下仁誓(3年)がエンドライン際から上げたクロスを笠木が頭で右隅へ流し込み、2-0。畳み掛ける広島ユースは29分、笠木の右足ミドルが右ポストを叩き、直後にも笠木がワンツーから右足を振り抜いた。

 広島県高校選抜U-18はインターハイ広島県予選を制した瀬戸内高をはじめ、広島皆実高、沼田高、広島国際学院高と同予選4強のチームで構成されていた。インターハイ全国大会でも印象的な動きを見せていたFW野上凌雅(瀬戸内高3年)の力強いドリブルやFW澤田佳憲(瀬戸内高3年)のミドルシュートなどでゴールを目指したが、守勢となり、ボールを奪ってもなかなか前線まで繋ぐことができない。

 対して、広島ユースは31分にも木村のスルーパスからMF竹山心(2年)が右足で決めて3点目。前半アディショナルタイムにも、カウンターから竹山の縦パスでFW妹尾颯斗(3年)が抜け出し、右足で4点目を挙げた。

 広島県高校選抜U-18は後半開始からMF江川楓(瀬戸内高3年)とMF藤井永遠(広島皆実高3年)を同時投入。5分には左サイドから仕掛けた藤井が一度失いながらも奪い返し、エンドライン際から中へ折り返す。これに走り込んだMF川本琉聖(瀬戸内高3年)が豪快な右足シュートを叩き込み、1点を返した。

 連戦の疲れもある中でよく戦っていた広島県高校選抜U-18は、さらに江川のミドルシュートなどで2点目を目指す。だが、広島ユースは後半も勢いのある攻守。トップチームの練習後に合流し、後半開始から出場したMF越道草太(3年)が爆発的なドリブルで観衆を沸かせる。

 CB畑野遼太主将(3年)を中心に相手の攻撃を封鎖。26分には、パワフルな動きを連発していた妹尾が高下の縦パスで強引に抜け出し、GKとの1対1からループシュートを決める。36分にも、左サイドへ抜け出した越道のキープから高下がPAへ1タッチのスルーパス。最後は、交代出場MF鳥井禅音(2年)が角度のない位置から豪快に左足で決め、6-1で試合を終えた。

 広島ユースの高田哲也監督は、気温が高い中でもトップチームを意識したアグレッシブな戦いを求める。特に前半は求めていたことを選手たちが表現する形で4-0。プレミアリーグWESTの前期は開幕から6戦未勝利と苦しんだが、その後は3勝2分1敗。「良いリズムでやっている時に自分たちでリズムを崩すことがあった」というが、徐々に改善してきているチームに対し、「(今日のようなアグレッシブな戦いを)どんどんやりたい。(また)質を上げること」と期待した。

 また、笠木は表彰式直後のインタビューで「優勝できなかったことは凄く悔しくて次に繋げていかないといけないんですけれども、2勝できたことは自分たちの中で自信になったと思うので、9月から始まるプレミアリーグに繋げていきたいと思っています。(強度が落ちることがあるので、)90分通して相手に球際で勝てるチームになりたいと思います」と宣言。Balcom BMW CUPの経験も糧に個人、チームで成長し、リーグ戦で巻き返す。

(取材・文 吉田太郎)

TOP