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[MOM3979]神村学園FW福田師王(3年)_ ファウル受けても「笛吹かないで」。試合も成長の場に3発!

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後半12分、神村学園高FW福田師王は強引に相手DFを振り切り、3得点目

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.13 ユースワールドチャレンジ・ プレ大会第1節 神村学園高 7-0 静岡学園高 J-GREEN堺]

 怪物ストライカーにとっては、注目対決も成長の場だ。神村学園高(鹿児島)FW福田師王(3年=神村学園中)はプレミアリーグ勢の静岡学園高相手にハットトリック。前半6分に左サイドからのラストパスを1タッチでゴールへ流し込むと、同26分には右クロスから巧みにマークを外して頭で2点目。圧巻は後半12分の3点目だ。

 ゴールを背にした状態でMF大迫塁主将(3年)からのパスをコントロール。静岡学園のJ注目CB行徳瑛主将(3年)に厳しいチェックを受け、引き倒されそうになりながらも踏ん張り、足を前へ踏み出す。そのまま追走するDFたちを振り切って右足一閃。会心の一撃でハットトリックを達成した。

 福田はこの試合、主審に対して「自分はシミュレーションとか嫌いなので、『引っ張られて倒されるまでは笛吹かないでね』と言いました」という。「自分から、『引っ張られても全然気にしないから倒された時だけ』みたいに。ここで倒れていたらプロの世界でも勝てない」。主審との、このようなやり取りは今回に限ったことではないのだという。相手のタイトな守備も自分の成長に繋げる“半端ない”ストライカーが、自身も実感する馬力、ゴールへ向かう力の成長を得点に結びつけた。

 日常から誰よりもと言い切れるほどシュートを打つ続け、クロスからのシュートやドリブルシュートなど課題を改善してきた。そして、驚異的な得点力を発揮し、上の世代の代表候補チームにも加わってきた福田の意識の高さ、成長欲は練習も、試合中も変わらない。そのFWはインターハイでの悔しさも成長への糧にしている。

「インターハイで悔しい思いをしたので、ああいう負け方とかしたくないので、一日一日を大切にした結果が出て良かったと思います。自分が相手よりも1点多く獲れば負けることはないので、守備陣を楽にしてあげたいし、自分としてももっと評価を上げて飛び級とかまた狙っていきたいので頑張っていきたいです」。

 コンディション不良のまま臨んだインターハイは初戦敗退。目標の2年連続得点王はおろか、無得点のまま大会を終えた。失意の夏。その後もコンディション面で苦慮したようだが、この日はチームのテーマとなった切り替え速い守備を人一倍表現し、2度3度とインターセプト。そして、ゴールを決めるたびに明るい表情を見せた。「福田師王を見たい」という観衆、試合後「出待ち」していたファンの期待にも応える活躍。それでも「ミスを減らしてもっと点数を」と貪欲な福田はもっともっと成長を続け、今冬、そして将来誰よりも輝く。

(取材・文 吉田太郎)

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