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初昇格で健闘続ける報徳学園は“報徳のカラー”でJユースから2点リード。MF松本一輝「選手権は行くしか無い」

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報徳学園高の10番MF松本一輝は1得点。攻守両面で健闘した。

[8.27 高円宮杯プリンスリーグ関西1部第10節 京都U-18 3-2 報徳学園高 京都サンガF.C.東城陽G]

“報徳のカラー”でJクラブユースを苦しめた。昇格組の報徳学園高が前半29分までに2点リード。開幕戦で1-0の勝利を収めている京都U-18との再戦で再び、勝利に近づいた。

 報徳学園の高田秀一監督が「あそこまで外切りしてGKまで追っかけてくるのはないと思います。トップだけでなくてBも、Cも、1年生であろうとプレスを掛けることは“報徳のカラー”になっている」と説明するハイプレス。MF大久保星七(3年)のゴールで先制すると、「奪った瞬間に動き出してマーク振り切れて、タッチが良くなかったんですけれども、落ち着いて周り見れて、相手3人の間を通したので良かった」という10番MF松本一輝(3年)が決めて2-0とした。

 夏遠征でプレミアリーグクラスの強豪校との対戦を経験し、意識的に基礎力を向上。松本は「ボールを失わないことを徹底してやってきました。止める・蹴るの練習時間を長く。ゲーム時間を減らして基礎の時間を長くしてやってきました」という。この日は強敵相手に守備だけでなく攻撃面でも渡り合い、2点リード。だが、京都U-18の質は報徳学園の守りを上回ってきた。

 高田監督は「(逃げるしかないところまでプレスを掛けたが)GKが蹴らずにアンカーとCBで剥がしに来たので、さすがだなと思いました」。前半のうちに1点差とされると、後半開始からの20分間は相手の攻勢を止められなかった。

 受けに回った20分間で2失点し、2-3で逆転負け。攻守両面で健闘していた松本は「前半はみんなでピンチも防げていたし、チャンスを決め切れていたので良かったけれど、後半にクロスやセットプレーから失点してしまって、後半最後何もできずに終わったので悔しかったですね。(個人としても、ドリブルで)1人目は抜けるんですけれども、カバーの選手に引っ掛かったり、コーナーで抜き切れなかったり、チャンスまでは作れなかったので多少自信はついたけれどまだまだだと思います」と成長を誓っていた。

 好内容のゲームだっただけに、勝ってより「できること」を示したかった。それでも、高田監督は「あの20分以外は上回るシーンもありましたし、しっかり戦えたかなと思います。悪くない負け方かなと思います。あのまま(失点が)4点、5点といかずに最後は自分たちの時間つくれたので。シンプルにアイツらが、次に向けて『悔しい』と思ってくれたら良い」と前向き。そして、「ここに出た子以外にも面白い選手がまだまだいてるので、その子達がチャンスを掴んでもっともっと出てきてくれれば」と期待した。

 初めてプリンスリーグ関西で過ごした半年間。ここで多くを学び、チームは大きく成長している。Bチームから台頭してきた選手や1年生も先発争いに加わるなど日常から激しい競争。その中で、プロも注目する大型FW坂元一渚璃(3年)ら個も育ってきている。

 今年は71年度の選手権以来となる全国大会へ。インターハイ予選は過密日程の中で結果を残すことができなかっただけに、その悔しさもぶつけるつもりだ。松本は「総体、あそこで負けてしまったので、冬の選手権は行くしか無いので、選手権を勝つためにプリンスで勝ちグセをつけていけたらいい」。海外志向が強く、チームにはイングランドでコーチングライセンセンスを取得したコーチも。欧州流を学び、磨いてきた“報徳のカラー“を全国トップレベルまで引き上げ、リーグ戦、選手権で白星を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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