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[関東Rookie League]“3番手”GK尾庭孝拓が神セーブ!リーグ戦での成長示した静岡学園がU-16全国切符獲得!

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殊勲のGK尾庭孝拓を中心に静岡学園高がU-16全国大会出場を喜ぶ

[9.3 関東Rookie LeagueAリーグ第11節 静岡学園高 3-2 日大藤沢高 時之栖うさぎ島G]

 リーグ戦での成長を示した静岡学園が全国切符獲得――。3日、「2022 関東Rookie League 」Aリーグの最終節が行われ、3位・静岡学園高(静岡)は7位・日大藤沢高(神奈川)と対戦。3-2で競り勝ち、2位とU-16全国大会(MIZUNO CHAMPIONSHIP U-16)出場を決めた。

“3番手”GKのビッグセーブが静岡学園に全国切符をもたらした。静岡学園は前半20分、得点ランキング首位のFW大木悠羽が先制ゴール。さらに30分にはMF金野仁の斜めのラストパスでMF望月就王が抜け出し、2-0とする。

 その後もMF山下輝大と今野仁とのコンビでシュートを放つなど攻める静岡学園に対し、日大藤沢はCB宮川空の左足キックや柔らかいドリブルを見せるU-15日本代表FW布施克真の個人技などを活かして反撃する。

 だが、MF金野類やCB関戸海凪が丁寧に繋ぎ、またドリブルでボールを前進させる静岡学園は、後半8分にも今野仁が巧みなターンからスルーパス。大木が右足でこの日2点目のゴールを叩き出す。だが、敗れると入れ替え戦の可能性が高まる日大藤沢はオウンゴールと得点ランキング2位・FW岩坪瑛太のゴールで1点差。そして、試合終了間際にPKのチャンスを得る。

 この日、静岡学園は2位・市立船橋高(千葉)と勝ち点2差、4位・帝京高(東京)とは同勝ち点、得失点差プラス8で最終節を迎えていた。U-16全国大会出場枠の2位に入るためには勝つしかない状況。この時点で市立船橋は帝京にリードを許していたが、PKを決められれば“暫定2位”の座を手放してしまう。

 両校の出場選手、控え組が祈るように見つめる中、日大藤沢がPK。これを静岡学園GK尾庭孝拓がシュートを読み切ってストップする。プレーが止まり、緑のユニフォームが一斉に守護神の下へ。自らを「3番手」と評する尾庭は「(怪我などで)チャンスが来たので『やってやろう』と。試合前もPKのイメージはしっかり考えていたので、止めることができて良かったです」と胸を張る。

「目線見て、自分から左の方だと(右利きのシュートは)弱いボールになるので、やっぱり同点が決まる場面で落ち着いて左に流す人は少ないと考えていたので、落ち着いて右へ跳んで、来たら絶対に止めるというイメージで止めれて良かったです」。“神セーブ”でリードを守った静岡学園はそのまま3-2で勝利。市立船橋に勝った帝京を得失点差で上回り、2位に入った。

 静岡学園の指揮を執った齊藤興龍部長は、「よく頑張った。熱い魂の出た試合だった」と称賛。今季の静岡学園は踏ん張れずに失点を重ね、落とした試合が3つもある。だが、その経験が「最後のゲームで出たので良かった」と齊藤部長。同点に追いつかれてもおかしくない状況で成長を示したチームは、さらなる成長を誓う。

 尾庭は「本当に嬉しいです。結構危うい状況で、ここ2年全国優勝していて、伝統を断ち切らずにできたので嬉しいです。自分の強みはシュートストップのところなんですけれども、ビルドアップがまだまだ課題なのでそこをしっかりしていきたい。(今回不在の)一番手の子にも負けないように、全国ルーキーにも出られるように頑張りたいです」。静岡学園は過去2年、関東王者としてU-16全国大会に出場し、2連覇。より成長して全国大会を迎え、強くて、上手い静学の姿を披露する。

(取材・文 吉田太郎)
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