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[関東Rookie League]グループでの戦い向上の帝京が市立船橋に逆転勝ち。U-16全国逃すも堂々の3位

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後半28分、帝京高MF前野輝人が右足で決勝点

[9.3 関東Rookie LeagueAリーグ第11節 市立船橋高 1-2 帝京高 時之栖うさぎ島G]
 
 3日、「2022 関東Rookie League」 Aリーグ最終節で2位・市立船橋高(千葉)と4位・帝京高(東京)が激突。帝京が2-1で逆転勝ちし、3位に入った。

 帝京は、Aリーグ2位以内が獲得するU-16全国大会切符こそ逃したものの、次へ繋がる白星でリーグ戦を終えた。市立船橋が、勝てば自力で2位以内確定。帝京は勝利した上、隣の会場で戦う3位・静岡学園高(静岡)が引き分け以下で2位へ浮上するというシチュエーションで強豪対決のピッチに立った。

 試合は市立船橋が均衡を破る。前半11分、DF井上千陽のループパスで相手の背後を取った左WB渡部翔太が左足シュートをゴールへ流し込んだ。その後も市立船橋は切り替えの速い守備から主導権。キープ力の高いMF藤田和やFW桑原理統ナーテとFW岡部タリクカナイ颯斗の2トップが2点目を狙う。

 また、井上やDF藤代俊幸らDFラインも好カバーリングを見せる市立船橋に対し、帝京のGK大橋藍は「自分たちのサッカーができていなかった。失点したら何も失うことはない。全部プラスの声掛けをしようと思っていました」。大橋はインターハイ登録メンバーとして先輩たちとともに全国2位を経験し、関東Rookie Leagueでも好セーブでチームを勝たせている。その守護神の後押しもあり、帝京は自分たちの特長であるグループでのビルドアップ、1タッチでの崩しの回数を増やしていく。

 そして、MF永田煌やMF砂押大翔の正確なパスなどからチャンス。前半31分にはスルーパスで抜け出したFW大屋雅治がループシュートを決めて同点に追いついた。再び勝ち越しを狙う市立船橋はセットプレーも含めてゴール前のシーンを作り出すが、帝京の守りは「GKがメンタル弱かったら、一番大事なゴールマウスを守れない」と言い切る大橋やDF有田啓吾、DFラビーニ未蘭中心に乱れず、堅い。

 市立船橋のGKギマラエス・ニコラス・ロドリゲスもこの日、2本、3本とビッグセーブを見せる活躍だった。だが、帝京は後半28分、FW森田晃とのワンツーで抜け出したMF前野輝人が切り返しでDFを外し、右足シュート。逆サイドのゴールネットへ突き刺し、試合を引っくり返した。

 帝京は松澤朋幸コーチが「2点ともよく崩してくれたので。凄く綺麗でしたね。(リーグ戦を通して)グループ、みんなでやるのは凄く上手になってきた。(今後も)みんなでやるサッカーが浸透してくれば」と称賛する逆転劇。この後も砂押や森田が絡む形で決定機を作り続ける。隣の静岡学園は3-0から残留争いの日大藤沢高に1点差とされ、さらに終了間際にはPKを献上。だが、これを止めて3-2で勝ち切り、2-1で勝利の帝京は惜しくも3位となった。

 帝京の現3年生は2年前の関東Rookie League Bリーグで優勝し、当時開催されていたプレーオフを勝ち抜いてU-16全国大会出場。経験を重ね続け、今夏の躍進に繋げた。後輩たちは同じようにU-16全国大会への出場を果たすことはできなかったが、最終節で前向きな戦い。だが、大橋は「トップチームはみんな1対1が上手くて、個性が一人ひとりあって、それでもまとまりがある。自分たちはまだない」と指摘する。先輩たちの姿から学びながら変化し、自分たちの技術と判断力を極めること。そして、3年間で目標の日本一を成し遂げる。


(取材・文 吉田太郎)
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