[MOM3999]FC東京U-18FW今野光希(3年)_学び続ける献身のフォワード。青赤の18番が執念の同点弾を叩き出す!
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.11 高円宮杯プレミアリーグEAST第14節 前橋育英高 1-1 FC東京U-18 前橋育英高校高崎グラウンド]
この番号を背負う意味を、ずっと考えてきた。戦うのは当たり前。その上でチームを勝利に導くゴールを挙げることが、何より求められていることだと信じ、そのための準備を重ね続けてきたのだ。
「深川の時もこの番号を背負わせてもらって、この18番の重みを試合でも感じながらやっていかないといけないですし、去年の野澤零温選手みたいになりたいなと思って、自分もこの番号を背負ってやっていきたいと決めました。だからこそ、この背番号に恥じないプレーをしていかないといけないと感じています」。
青赤伝統のナンバー、18番を託されたアタッカー。FC東京U-18(東京)のFW今野光希(3年=FC東京U-15深川出身)が執念で叩き出したゴールが、土壇場でチームに勝ち点1をもたらした。
前半は押し込まれ続けていた。前橋育英高(群馬)と対峙した一戦。FC東京U-18は相手の流麗なポゼッションに対して、前からボールを奪うことができず、ズルズルと全体が後退していく。
「前育さんのビルドアップを自分たちが受けてしまって、そこから流れを持っていかれてしまいましたし、まずは自分のサイドはやられないようにしていたんですけど、ライン間で受けられるところは苦戦しましたし、もっと守備をやっていかないとなと思いました」という今野もほとんど良い形で攻撃に関われないまま、1点のビハインドを背負って45分間が終了する。
後半に入ってやや持ち直したものの、セットプレー以外ではなかなかチャンスを作り切れない中で、千載一遇の好機がやってくる。後半38分。チームメイトが右サイドへ侵入すると、今野は冷静に自分の入るべきポイントを見極める。
「左で構えた時に田邊選手と目が合って、自分の動き出しに綺麗に合わせてくれたので、あとは自分がしっかり当てて、決めるだけでした。ちょっとは緊張したんですけど(笑)、うまく当てることができて良かったです」。MF田邊幸大(2年)のクロスに走り込むと、右足のインサイドで丁寧に叩いたボレーが、ゴールネットへと吸い込まれる。
「自分は中学生の頃もフォワードをやっていて、裏に抜ける動きは得意だと思っているので、そこが生きたなというところでした。最近はクロスに入るところを心掛けて臨んでいたので、それが結果に繋がったのかなと思います」。18番の今季リーグ戦2ゴール目は貴重な同点弾。ストライカーの本能が勝ち点1を手繰り寄せた。
チームを率いる奥原崇監督は、今野をこう評している。「普通にメンバーを外れた試合もあって、夏は苦労していたんですけど、そこからは意欲的にやっていて、攻撃だけではなくて、守備も本当に献身的にやるようになりましたし、戦術理解が課題だったんですけど、一定の学びがある中でプレーしてくれています。本当にサッカーと向き合えているので、今は一番前目で信用のおける選手じゃないですかね」
苦しんでいた時期があったことを認める本人も、その理由についてはしっかりと自己分析できているようだ。「前期は試合に出続けている中での慢心が自分の中に少しあったかなと。その慢心から守備をしなくなっていったので、夏はメンバーを外されたのかなと思っています。後期からはもちろん守備を考えつつ、得点も獲りに行くことを考えて、残りの試合もスタメンを継続できるように、日々の練習で努力していきたいです」。過去の自分を認めつつ、未来に目を向けられるポジティブなメンタルがこの男には備わっているようだ。
それでも、欲しいのはゴール。何より求めるものがゴールであることは、あえて言うまでもないだろう。「2ゴールというのは自分としても納得していない得点数ですし、熊田(直紀)選手以外の選手ももっと点を獲っていかないと、チームも苦しいと思うので、もっと自分も点を決めて、チームを助けられるような選手になっていきたいです」。自身の成長の先にあるはずの、みんなで目指してきた目標だって、まだまだ諦めるつもりは毛頭ない。
「個人としては、残りの試合でもまずはスタメンで出ることを自分の目標にしたいですし、自分たちは優勝を狙いに行くことをまだ諦めていないので、もっと日々努力して、1日1日の練習を無駄にせず、奇跡を起こせるような残りの3か月にしていきたいなと思っています」。
学び続ける献身のフォワード。青赤の18番を背負う今野がさらなる輝きを放ち続けることが、“奇跡”を起こすための絶対条件であることに、疑いの余地はない。


(取材・文 土屋雅史)
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●高円宮杯プレミアリーグ2022特集
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この番号を背負う意味を、ずっと考えてきた。戦うのは当たり前。その上でチームを勝利に導くゴールを挙げることが、何より求められていることだと信じ、そのための準備を重ね続けてきたのだ。
「深川の時もこの番号を背負わせてもらって、この18番の重みを試合でも感じながらやっていかないといけないですし、去年の野澤零温選手みたいになりたいなと思って、自分もこの番号を背負ってやっていきたいと決めました。だからこそ、この背番号に恥じないプレーをしていかないといけないと感じています」。
青赤伝統のナンバー、18番を託されたアタッカー。FC東京U-18(東京)のFW今野光希(3年=FC東京U-15深川出身)が執念で叩き出したゴールが、土壇場でチームに勝ち点1をもたらした。
前半は押し込まれ続けていた。前橋育英高(群馬)と対峙した一戦。FC東京U-18は相手の流麗なポゼッションに対して、前からボールを奪うことができず、ズルズルと全体が後退していく。
「前育さんのビルドアップを自分たちが受けてしまって、そこから流れを持っていかれてしまいましたし、まずは自分のサイドはやられないようにしていたんですけど、ライン間で受けられるところは苦戦しましたし、もっと守備をやっていかないとなと思いました」という今野もほとんど良い形で攻撃に関われないまま、1点のビハインドを背負って45分間が終了する。
後半に入ってやや持ち直したものの、セットプレー以外ではなかなかチャンスを作り切れない中で、千載一遇の好機がやってくる。後半38分。チームメイトが右サイドへ侵入すると、今野は冷静に自分の入るべきポイントを見極める。
「左で構えた時に田邊選手と目が合って、自分の動き出しに綺麗に合わせてくれたので、あとは自分がしっかり当てて、決めるだけでした。ちょっとは緊張したんですけど(笑)、うまく当てることができて良かったです」。MF田邊幸大(2年)のクロスに走り込むと、右足のインサイドで丁寧に叩いたボレーが、ゴールネットへと吸い込まれる。
「自分は中学生の頃もフォワードをやっていて、裏に抜ける動きは得意だと思っているので、そこが生きたなというところでした。最近はクロスに入るところを心掛けて臨んでいたので、それが結果に繋がったのかなと思います」。18番の今季リーグ戦2ゴール目は貴重な同点弾。ストライカーの本能が勝ち点1を手繰り寄せた。
チームを率いる奥原崇監督は、今野をこう評している。「普通にメンバーを外れた試合もあって、夏は苦労していたんですけど、そこからは意欲的にやっていて、攻撃だけではなくて、守備も本当に献身的にやるようになりましたし、戦術理解が課題だったんですけど、一定の学びがある中でプレーしてくれています。本当にサッカーと向き合えているので、今は一番前目で信用のおける選手じゃないですかね」
苦しんでいた時期があったことを認める本人も、その理由についてはしっかりと自己分析できているようだ。「前期は試合に出続けている中での慢心が自分の中に少しあったかなと。その慢心から守備をしなくなっていったので、夏はメンバーを外されたのかなと思っています。後期からはもちろん守備を考えつつ、得点も獲りに行くことを考えて、残りの試合もスタメンを継続できるように、日々の練習で努力していきたいです」。過去の自分を認めつつ、未来に目を向けられるポジティブなメンタルがこの男には備わっているようだ。
それでも、欲しいのはゴール。何より求めるものがゴールであることは、あえて言うまでもないだろう。「2ゴールというのは自分としても納得していない得点数ですし、熊田(直紀)選手以外の選手ももっと点を獲っていかないと、チームも苦しいと思うので、もっと自分も点を決めて、チームを助けられるような選手になっていきたいです」。自身の成長の先にあるはずの、みんなで目指してきた目標だって、まだまだ諦めるつもりは毛頭ない。
「個人としては、残りの試合でもまずはスタメンで出ることを自分の目標にしたいですし、自分たちは優勝を狙いに行くことをまだ諦めていないので、もっと日々努力して、1日1日の練習を無駄にせず、奇跡を起こせるような残りの3か月にしていきたいなと思っています」。
学び続ける献身のフォワード。青赤の18番を背負う今野がさらなる輝きを放ち続けることが、“奇跡”を起こすための絶対条件であることに、疑いの余地はない。


(取材・文 土屋雅史)
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