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FW中川豪がハット!新潟明訓撃破した金沢U-18は残り2試合も「絶対に勝って広島行きたい」

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ツエーゲン金沢U-18FW中川豪はハットトリックの活躍

[9.23 高円宮杯プリンス北信越第16節 金沢U-18 4-2 新潟明訓高 金沢市民サッカー場]

 23日、高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ北信越第16節でツエーゲン金沢U-18(石川)と新潟明訓高(新潟)が対戦し、FW中川豪(3年)のハットトリックによって金沢U-18が4-2で勝利した。

 金沢U-18が挑んだ昨年12月のプリンス・プレーオフは1回戦で履正社高(大阪)に0-1で敗戦。「自分のミスで点を獲られてしまった。先輩たちに申し訳ない想いをさせてしまったので、今度広島に行った時は自分たちが後輩たちに良い舞台でプレーさせてあげたいと思って、頑張っています」。主将を務めるMF松浦魁空(3年)の言葉からは、プレミアリーグ昇格に懸ける想いの強さが伺える。
  
 狙うは第1代表としてのプレーオフ進出。首位・帝京長岡(新潟)と前節まで3位の金沢U-18は勝ち点で並ぶが、金沢U-18は消化数が3試合多いため、「残りの試合を勝たないといけない」(松浦)状態だ。残り3試合全勝しなければいけないトーナメントのような一戦で、大暴れしたのは「前回のアルビレックス戦で何も出来なかったので、今日は絶対に点を獲って勝たせてやろうと思っていた」と振り返る中川だった。

 ファーストチャンスは前半9分。中盤でのボール奪取から左のMF加藤煌晴(2年)がタメを作ると、後方から上がったDF山下莉人(3年)がゴール前に速いボール。走り込んだ中川がダイレクトで合わせて、ゴールネットを揺らした。

 24分には「次元が違う。あいつの守備の強度とドリブル、シュートのパンチ力でゲームを変えられる」と新潟明訓の坂本和也監督が評するFW友坂海空(2年)が決めた技ありのゴールで追い付かれたが、35分には松浦が左から入れたクロスを中川が合わせて、金沢が再びリード。42分には右サイドから繋いだボールを豪快に中川が叩き込んで、前半のうちにハットトリックを達成した。

 前半終了間際にはMF平井壱弥(2年)に2失点目を許したが、後半8分にはクサビを受けた中川がゴール前にパスを送り、FW平川稜(3年)のゴールをお膳立て。全得点に絡んだ中川の活躍によって、金沢が4-2で勝利した。

 この日の活躍によって、中川は松本U-18のFW田中想来(3年)を抜いて得点ランキングのトップに浮上した。昨年までもDF裏への抜け出しが光るストライカーだったが、今季に入ってからは得点感覚の鋭さが増している。転機となったのは、JFL時代の金沢をFWとして支えた齋藤将基監督の就任。指揮官から点が獲れる確率が高い場所を教えて貰い、積極的に飛び込んだ結果、得点力アップに繋がっているという。

 同時に夏のクラブユース選手権(U-18)で味わった悔しさも糧になっている。長所であるゴール前への抜け出しと起点を作る動きが全く通用せず肩を落としていたが、齋藤監督から「もっと走れ」との言葉をかけられ、積極的にゴールに向かって行く姿勢が増した。「サイドバックとサイドハーフに感謝している。自分は最後に押し込むだけ」と話すように、チームメイトからの絶妙な配球も好調を支える要因だ。

 得点王を視野に入れつつも、第一目標とするのは松浦同様プレミアへの昇格。「昨年のプレミア・プレーオフでは何も出来なかったので、今年は絶対にやってやるという気持ちでやっています。ここからはカターレ、帝京長岡と強豪との試合が2つ続くのですが、絶対に勝って広島行きたい」と意気込む男の活躍は、まだまだ続きそうだ。

(取材・文 森田将義)
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