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[MOM4030]帝京DF島貫琢土(3年)_準優勝したインハイの“陰のMVP”。走力を左SB、右SHでも発揮

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帝京高は左SB島貫琢土(3年= FCトリプレッタJrユース出身)は持ち味の運動量や守備力を発揮して勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.8 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第15節 帝京高 1-0 流通経済大柏高B 帝京大学グループ千住総合G]

 帝京高の日比威監督は19年ぶりに決勝進出、準優勝したインターハイの“陰のMVP”として左SB島貫琢土(3年= FCトリプレッタJrユース出身)の名を挙げる。

 新チーム結成当初は右SB。怪我から復帰後はU-19日本代表候補DF入江羚介(3年)が長期離脱したこともあって、左SBを務めるようになった。インターハイでは「自分は自分なので。入江以上のプレーを求められるかもしれないですけれども、常に自分のプレーを出しながら、チームに何ができるかを自分で考えながら」プレー。運動量と守備力を発揮した左SBは特に準決勝、決勝で相手の決定機に現れ、シュートブロックやゴールカバーで幾度も帝京を救っていた。

「カバーリングとか守備のところで貢献できたのは自分にとっても成長になったし、大きい舞台であのようなプレーができたのは自分の自信に繋がった。みんなに助けられているので、感謝しかないですね」という島貫はこの日も、豊富な運動量と守備力、そして万能性の高さでチームに貢献した。

 前半に関しては納得の行くパフォーマンスではなかったというが、「みんなに助けられながら」乗り切る。そして、後半には相手の決定機になりかけたシーンで絶妙なインターセプト。また、ロングスプリントして崩しに係わり、左足を振り抜く。加えて、自陣ゴール前で身体を投げ出してクリアするシーンもあった。

 後半31分の入江投入に伴い、島貫は右SHへ。体力的に苦しい終盤でも島貫の運動量、切り替えの速さは相手との差を生み出す武器となっていた。後半40分に相手DFを振り切って放った決定的なヘッドはクロスバー上方へ。得点に絡むことはできなかったものの、ハードワークを続けた島貫はこの日も指揮官から称賛されていた。

 その島貫は、「入江も復帰してきて、また(強力右SBの)並木(雄飛)とも競争していかないといけないというところで、右SHもできるところはアピールになったかなと思います」と胸を張る。

 島貫の運動量がDFラインに安定感をもたらしていること、また攻撃に厚みを加えていることは間違いない。「自分の持ち味は守備と運動量というのがある。SBは走れるポジションなので、一番走ろうという気持ちでやっていますし、一番走ったよと分かるように、自信を持って目立てるように走っています。一人で崩すよりは攻撃で空いたスペースへ走っていく。使われたらそこで仕事ができる。使われなくてもおとりになって他の選手が良いプレーができれば」。その運動量を攻守両面で発揮し、15日初戦の選手権予選でもチームメートたちをサポートする。

「冬の大会が本番だと思っている。そこは全員で力を合わせて必ず絶対に出るという気持ちを持っている。練習からしっかりやって、一つ一つ勝っていこうと思っています。自分の持ち味である守備をやりながら、攻撃でも左でも右でも使えるような選手になって、スタメンで出続ける。そして、アシストや点を獲れる選手になっていきたい」。世代トップレベルのSBたちとのポジション争い。チームを救ってきた島貫は自信を持って彼らとの競争を勝ち抜き、先発として白星に貢献し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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