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4年後見据えて「もっと」。大津の10番MF田原瑠衣、必勝期した“ホーム最終戦”で先制アシスト

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大津高の10番MF田原瑠衣(3年=FC NEO Jrユース出身)が決勝点をアシストする活躍

[11.19 高円宮杯プレミアリーグWEST第20節 大津高 2-0 東福岡高 大津町運動公園球技場]

 大津高(熊本)の10番MF田原瑠衣(3年=FC NEO Jrユース出身)が、自身の“ホーム最終戦”で躍動した。0-0の後半16分、右サイドから中へポジションを取って縦パスを受けると、左足ループでのスルーパス。「相手の嫌な中間らへんにボールを出して、基成がしっかりと走ってくれたので良かったです」というラストパスがFW 山下基成(3年)の先制点に繋がった。

 ドリブル、パスで違いを生み出すテクニカルなレフティーが、貴重な先制アシスト。「自分、(ホームの)最終節出れないのが決まっていて、持ち越したくないと。自分のホーム最終節で勝って残留決めたいと思っていて、それが先制点のアシストに繋がったかなと思います」。12月4日の履正社高戦は大学受験のために欠場する予定。必勝を期して臨んだ一戦で勝利に貢献し、大津のプレミアリーグ残留を決定的なものにした。

 充実した動きを見せた。前半からボールが入ると、右サイドで縦への強気な仕掛け。テクニカルなレフティーは切り返してタメを作る動きも得意とするが、前から厳しく来る東福岡高DFに対して「最初から行こうと思っていました。ユース相手に縦にも行けるようになったので、そういう経験が自信になっている」と間髪入れずにドリブルへ持ち込もうとしていた。

 田原は「前まではゴールまで遠い感じだったんですけれども、ゴールに向かうようになって自分でもシュートに行けるようになった」。夏以降、ポジションが左サイドから右サイドへ変わり、縦へのドリブル突破やカットインからの左足クロス、シュートなどプレーの幅が広がった。より特長を発揮できるポジション。自身の成長もあって、余裕を持ってプレーできているようだ。

 昨年度の選手権準優勝メンバーでU-17日本高校選抜にも名を連ねる田原は、高校からのプロ入りを目指していた。今年はJ2クラブへの練習参加も経験。だが、インターハイを含めて十分なアピールをすることができず、関東1部の強豪大学でより進化する道を選択した。

 決断をした後、切り替えて前向きなプレーを継続。「良くなっている」という周囲の声の通り、ピッチで巧さと力強さも発揮している。「4年間で内定もらえるようにと思って後期は取り組んでいました」。大学進学を決めたとは言え、将来のためにはどの試合も大事。今後もチームの勝利に貢献しながら、毎試合アピールしていく考えだ。

 現在の最大の目標は、昨年度の準優勝を超えて選手権日本一。チームリーダーの一人として「一戦一戦大事に戦っていくことは平岡先生も言われてきたので、自分と(小林)俊瑛が(昨年の)試合に出させてもらって経験しているので、プレーの面でも引っ張って、後輩にも経験を積ませてあげられるようにしたい」と語った。
 
 U-17日本高校選抜のチームメートで、選手権予選敗退したMF高橋隆大(静岡学園高3年、G大阪内定)らから「頑張れよ」とエールをもらっている。「隆大たちの分まで自分も頑張りたいです。アイツ(高橋)は先にJへ行くので、そういうところで自分も負けないように全国でもっと名を知らせたいです。自分の独特なドリブルとスルーパスやクロスの質を見て欲しいと思っています」。4年後へ向けても大事な選手権。“公立の雄”こと大津の10番が輝き、後輩たちに国立、日本一の景色を見せる。

(取材・文 吉田太郎)
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