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J内定コンビの「左」に加え、「右」も自信あり。昨年からの経験者、履正社MF川端元は攻守で輝く

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履正社高右SH川端元(3年=アイリスFC住吉出身)は攻守で貢献するプレーヤー

[11.26 高円宮杯プレミアリーグWEST第21節 履正社高 2-3 静岡学園高 履正社茨木グラウンド]

 昨年から公式戦の経験を重ねてきた背番号14は、今季のプレミアリーグWESTで5得点。インターハイでも神村学園高とのビッグマッチでの一撃を含む2得点をマークしている。左SH名願斗哉(3年、川崎F内定)、左SB西坂斗和(3年、徳島内定)の左サイドが注目される一方、日の目を見る機会はほとんど無い。本人も「全然、(取材受ける機会が)無いんですよ」と苦笑するが、履正社高右SH川端元(3年=アイリスFC住吉出身)は、攻守両面で力のあるプレーヤーだ。

 この日は右サイドで相手DFの背後を突く動き。スペースを生み出し、クロスで決定的なシーンも演出した。中盤でタメを作るなど技術力、アイディアのあるプレーが印象的だが、本人がより自信を持っているのは守備の方。「1対1の時に止めたりしてそのままカウンターとかで攻めるのか好きです」という川端は特に前半、SBやボランチと連動して相手の左サイドの攻撃を停滞させることに成功していた。

 プレースタイルが変わったのは履正社進学後。中学時代はボランチで奪う力も発揮していた一方、ボールを持つと「こねこねですね」のゲームメーカーだった。それが昨年に右SBを経験し、守備の楽しさを理解。巧さも見せる一方、守備力と平野監督からも評価されているという運動量も活かして右サイドでコンスタントな活躍を続けている。

 左サイドを崩して右の川端やFW古田和之介(3年)が仕留めるのは、履正社の得点パターンの一つ。「斗哉と斗和がやってくれるんで、逆サイドは絶対に上がってくるクロスを信じて走って当てるだけ」。貴重なゴールを決めているMFは、常に右サイドからもチャンスを作ることも求めている。

「左サイドが研究されて防がれている時に右サイドが何もできなかったら勝てないので、だからこそ(自分が)ですね。守備も、攻撃も、両立できる選手になりたい」。

 履正社で守備に加え、課題のヘディングや左足キックも向上させてきた。大学では右SBとして勝負したいという意向を持っているが、選手権は右SHとして活躍できる自信が「あります」。全国大会で「得点にこだわって、チームが勝つために守備だったり、攻撃だったり、切り替えだったりして優勝したいと思います」という「右」のキーマンが、「左」に負けない活躍をする。

(取材・文 吉田太郎)
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