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[MOM4128]神戸U-18MF永澤海風(3年)_チームを「救いたい」。10番が最終節で1G1A!

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後半38分、ヴィッセル神戸U-18は10番MF永澤海風(3年=ヴィッセル神戸U-15出身)が決めて2-0

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.4 高円宮杯プレミアリーグWEST第22節 静岡学園高 1-3 神戸U-18 エスプラットフジスパーク]

「チームを決勝(ファイナル)まで行かせてあげたかった」。逆転優勝を狙ったヴィッセル神戸U-18(兵庫)は、優勝チーム・サガン鳥栖U-18(佐賀)と勝ち点43で並びながらも、得失点3差で2位に。MF永澤海風(3年=ヴィッセル神戸U-15出身)は自分の力でチームを優勝、ファイナルへ導けなかったことを悔しがる。だが、優勝するために各選手が力を出し尽くして勝利した最終節で、永澤は1ゴール1アシストと10番に相応しい活躍をしてのけた。

 相手に押し込まれる展開となった前半、なかなかボールに絡むことができなかったが、43分のワンプレーが流れを変える。中盤でボールを奪うと前を見て、浮き球のスルーパス。「獲った後に前を見るというのは自分の中で決めていて、その時に結構相手の守備のバランスが良くなかったので。ゴロでは通らないかなと」という浮き球パスをMF坂本翔偉(2年)が左足で決めて先制した。

 逆転優勝できるかどうかは、同時刻キックオフの鳥栖U-18のスコアもかかわってくる。神戸U-18の選手たちはまず目の前の静岡学園高(静岡)撃破に集中していたが、鳥栖U-18がリードを広げていることは伝わってきていた。早く2点目が欲しい中、10番が再びチームを勢いづけた。

 後半38分、右CKを右足ダイレクトボレーで合わせ、左隅のネットを揺らした。「何も考えずに、とにかく点が必要だったので、気持ちで押し込みました」という一撃で2-0。静岡学園の流れを断ち切るファインショットの2分後に神戸U-18は3点目を奪う。この時点で鳥栖U-18との得失点差は2点にまで縮まった。

「前半はあまりボールに絡めていないなというのはあったので。でも、自分がチームを救う、救いたいという気持ちが強くて、後半は良い形でボールに絡めたり、点にというところは良かったと思います」。チームはその後鳥栖U-18との得失点差を詰めることができず2位。得点を決められなかった試合が続くなど、チームが優勝できなかったことへの責任を口にしていた永澤だが、普段以上に気持ちを高ぶらせて臨んだ最終節で成長した姿を示した。

 安部雄大監督も評価した10番の活躍。2年間特別な番号を背負った永澤は、今後へ向けて「プロの世界で活躍できるということがスタッフや家族への恩返しに繋がると思うので、そういうところを目指していきたいです」と力を込めた。

 U-18チームからトップチームへ昇格することはできなかったが、また神戸に戻ってきたいという気持ちは「あります」。そして、「最高の仲間と将来同じピッチに立てるということが夢で、みんなで絶対に叶えようという話はしました。(理想は)ボールを持ったら怖いという選手、点を決めるとかアシストをするという選手、何かしそうだなという選手になりたいです」と誓う。

 この日は静岡学園の10番MF高橋隆大(3年、G大阪内定)の上手さを実感し、また刺激を受けた。3年間、6年間一緒にプレーしてきたチームメート、またライバルを上回るようにもっともっと長所の技術を磨き、理想の姿となって家族や恩師に恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)
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