[12.3 高円宮杯プリンスリーグ関西2部第18節 近大附高 1-3 東山高 J-GREEN堺 S3]

「このチームを勝たせるのは自分でありたいですし、そういう強い気持ちは常に持っておくことが大事なので、選手権では自分のドリブルや仕掛けでチャンスメークしたり、得点王を獲ってチームを勝たせるようにしたいと思います」

　第101回全国高校サッカー選手権の主役候補、東山高(京都)のC大阪内定MF阪田澪哉(3年=宇治FCジュニアユース出身、U-18日本代表)がゴールとチームを勝たせる活躍を誓った。プリンスリーグ関西2部最終節は前半、守備を意識し過ぎた面もあったが、後半にリーグ戦11得点目のゴール。逆転での得点王には届かなかったものの、前向きな結果で選手権への弾みをつけた。

　高速ドリブルやプレースキックによるチャンスメークも注目の阪田だが、この1年は結果にこだわってきた。「プロ決まってから結果という部分では自分の中で意識しているところがあるので。結果は(今後も)ずっと意識していかないといけないなと思っています」。準々決勝で敗れた前回選手権の悔しさも、ゴールへの思いを強くしている。

「去年、正直自分の中ではもっと点を獲れたかなと思っていたので。最終学年で去年よりも成長した姿を見て下さっているセレッソのサポーターの方々だったりに見せたいと思っています」。夏頃から状態を上げてきたMFは、選手権予選で決勝の2ゴールを含む7得点と活躍。全国大会でも得意の抜け出しなどからゴールを強襲し、得点を重ねる意気込みだ。

　先輩から刺激を受けている。東山OBのMF鎌田大地(フランクフルト)がワールドカップで日本代表の“死の組”突破に貢献。「本当に凄いと思いますし、自分の高校の卒業生からああいうワールドカップの舞台に出て、苦しい時間帯での守備だったり、走っている姿とか見て、自分もああいう姿になりたいと思ったし、日本が勝っているところを見ると、本当にああいう舞台を目指していかないといけないなと思います」。鎌田の後を追うエースは、その姿勢を見習って選手権のピッチを駆け抜ける。

「鎌田選手とタイプは違うと思うんですけれども、自分なりにゴールへ向かう姿勢とかはがむしゃらに出していきたいなと思っています」

　鎌田を指導した福重良一監督は、阪田に「怖いプレーをして欲しい。スカウティングされた中でも行って欲しい。そこのところの強引さはもう1ランク上げて欲しいかなと」と求める。自分にマークが集まる中、簡単に周囲を使う術も必要。一方でプロ入りする注目アタッカーは、DF2人を一気に抜きにかかるような強気のプレーや、PAで何かを起こすプレーをして違いを示さなければならない。阪田自身も「自分は(前回大会を)経験している分、思い切りできる」と語り、マークされる中でも個で行き切ることを考えている。

　選手権を意識しだしたのは小学生の頃。印象に残っているのは当時、京都橘高に所属していた高校ナンバー1FW岩崎悠人(現鳥栖)だったという。「小さい頃からの夢だったので、そういう夢の舞台に立てるという嬉しさや思いは表現したいなと思っています。岩崎選手もスピードや得点力が凄いので、自分らしく得点や自分の仕掛けというところでサポーターの方を沸かせるようなプレーをしていきたいと思います」。岩崎は最後の選手権で名門・市立船橋高(千葉)相手に圧倒的なプレーを見せたものの、初戦敗退。阪田はそれを超えて、夢の舞台で一歩一歩、頂点まで勝ち続ける。
　
(取材・文　吉田太郎)

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