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武器磨き、目標の代表、プロへ。矢板中央期待の1年生DF清水陽「自分の守備力をアジア相手に試したい」

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矢板中央高期待の1年生DF清水陽

 矢板中央高(栃木)は、2022年のインターハイで初のベスト8進出。11回目の出場で一つ壁を破った。また、激戦区のプリンスリーグ関東1部でも7位。選手権は、PK戦の末に予選敗退となったが、伝統の堅守、迫力のある攻撃、セットプレーの強さを今年も高いレベルで発揮した。DF清水陽(1年)は次世代の守備の要だ。183cmと長身でスピードを活かした広範囲のカバーリング、高精度のフィードも武器とする期待の星。今秋の国体で栃木県選抜の8強入りに貢献している清水が、国体の感想や将来について、また普段着用しているスパイクについて、コメントした。

―国体では栃木県選抜のベスト8進出に貢献しました。大会の感想を教えて下さい。
「疲労が溜まっていたのもあって、いつもははっきりとクリアしているところでできなかったりとか判断ミスもあって、最後自分が失点に繋がるプレーをしてしまったので、そこが結構悔しいです」

―足の怪我で動き辛さがあった。
「膝怪我していてテープングしていても結構辛かったので、テーピングの固定も結構キツかったですし、動き辛かったです」

―それでも、初戦突破の目標を超えてベスト8。
「自分たちはまず1回戦で勝とうみたいな感じでやっていたんですけれども、1回戦勝ったら『もう優勝しかないでしょ』、みたいな感じで突き進んで行ったら、結果はベスト8だったんですけれども結構たくさんのものを得られたので良かったと思います」

―地元の応援の中で戦った。
「観客の人たちも、小学生たちも応援してくれて、完全にホームという感じだったので凄くやりやすかったです」

―個人として名前を知ってもらう大会に。
「アピールになったと思うんですけれども、自分的にはまだまだもっとやれたと思うんで、もっと努力して、もっとああいう場でもっとアピールできるようにしたいです」

―自信になったのでは?
「守備の面では結構全体的にできたので、自信になりました」

―逆に課題となった部分は?
「課題になった部分は、自分たち栃木は守備の時間が長かったんで、その中で自分が一個落ち着かせて、もっと自分たちが保持する時間を長くできればと思います」

―大阪は力のあるチームだった。
「フィジカルというより技術の面が凄く上手くて、やっぱり連係とかも凄くて、その連係にチームとしても、個人としてもあまり対応できていなかったので、そういうところにフィジカルだけじゃなくて対応できるようにしたい」

―栃木県選抜でプレーした感想は?
「自分は中学生の頃、県トレセンとか入っていなかったので、初めてそういう県選抜とか入れてもらって、やりやすいなと思いました」

―高校に進学して成長できた部分もある。
「矢板中央に入って、一つひとつの練習から意識も変わったと思います」

―人間性の部分も変わった。
「人間性もそうですし、サッカーの技術のところも結構変わりました」

―中学時代は甘い部分もあった?
「中学の時は結構甘かったです。副キャプテンになってから責任感とか凄く感じるようになって、そこから意識がかなり変わったと思います」

―寮生活はどうかな?
「寮生活は自分が思っていたところと結構違うところがあって大変なこともあるけれど、普段たくさん親に支えられていたんだなというところも分かったし、感謝という気持ちも結構出てきました」

―身体のケアも。
「気を遣うようになりました。整骨院が近くにあってそこに毎日通えるので」

―中学の時は目立たなかった?
「相手チームから目をつけられたりしていたんですけれども、トレセンの前日に公式戦があってそこで全部使っちゃったりしてコンディションがあんま良くなかったので、(トレセンでは)できなかったと思います」

―県選抜の中でも目立てるようになっている。
「栃木県選抜じゃまだまだ満足しちゃダメだと思うので、ここからもっと上を目指して頑張っていきたいと思っています」

―代表クラスとやって、やれるなと感じる部分はあった?
「あります。相手の攻撃に対して自分の守備で止められたと思います」

―国体で一番の武器に感じた部分は。
「キックと予測力ですかね」

―ビルドアップも代表では必要になる。
「そこは自分の一番の課題だと思っているので、そこはイメージもそうですし、サッカー見たりして学べると思うので、そこで学んでサッカーをより意識して上手くなっていけると思います」

―まずはトップで出ること。
「(10月時点で)まだ自分はプリンス2部でしか試合に出れていないので、トップチームでも、もっとバチバチ戦えるくらい成長して、代表とかに入って行けるようにしたいと思います」

―トップチームの練習の雰囲気は?
「雰囲気だけでなく、レベルも高い。自分、まだ慣れていない部分があるので、雰囲気も、レベルにも慣れて自分の力を出して行けるようにしたい」

―普段のスパイクは?
「(モレリア)ネオ3履いています。中学の時色々なスパイクを履いていたんですけれども、高校に行ってスパイクは一つに絞りたいなと思って色々なものを履いて、ネオ3が一番良かったので」

―モレリア3ネオの良さについて教えて下さい。
「(天然)革の靴なのでちょっと履いたら自分の足に形になって、フィット感が良くて蹴りやすかったです。ボールに当たった時の感触も違うし、あと地面を蹴った時の蹴り返しとかも全然違った」

―ポジションはずっとCB?
「CBとSBです。CBの方が得意です。SBは右やったらできます。中学の時は左やっていたんですけれども、高校に入ったら全然違っていて右の方がやりやすかったので」

―自分にとって選手権とは?
「小学生の頃からずっと見てきたので、あそこの舞台に立ちたいと思っていて、夢でもあったので夢を叶えたいと思います」

―印象に残っている試合はある?
「中央対静学(静岡学園)戦の最後までブロック作ってシュートブロックしていたこと」

―自分にとって、代表とは?
「代表行きたいんですけれども、行くためにはまだまだ物足りないところがあると思うので、そこを見つけて、突き詰めて代表に入りたい。守備のところは(国体で)最後の大阪戦で自分の背後に流れたボールで判断ミスして入れ違っちゃって失点したシーンとかあったので、そういうちょっとしたミスで1失点したら多分ディフェンスとしての評価が下がってしまうので修正したい」

―世界で試したいところは?
「自分の守備力をアジア相手に試したいと思います」

―トップチームでプレーは通用している?
「ある程度守れます。矢板中央ではたまにやられます。田邉(秀斗)さんとかヤバいです。FWの若松(優大)さんとか下平(悠斗)さんとか体も大きくて、フィジカルも強い選手にはまだ負けてしまう部分があります」

―現在、体重は?
「今、73なのであと5kgくらい増やしたい。まだ縦ばかりで身長は183くらい。お父さんが178cmです」

―どのようなDFになりたい?
「セルヒオ・ラモス選手とか冨安(健洋)選手。セルヒオ・ラモス選手は身長が特別高い訳ではないですけれども、球際もヘディングも強くてカバーリング能力も高いし、守備能力だけじゃなくて攻撃能力も優れているのでそういうところがやっぱり良いと思います」

―高卒プロは考えている?
「考えています。(中高の)自分の3個上に大畑凜生さんがいて法政大学へ行って、高2高3で高校サッカー選抜の候補に入ったりしたので、自分、大畑凜生さんに憧れて中央に入ったというのもあるので、まずはその選手を超えていきたいと思っていますし、その中で高卒プロを目指していきたい」

(取材・文 吉田太郎、10月取材)

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