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J3で3得点のU-17日本代表MF行友翔哉はプレミア昇格、将来の活躍で愛媛U-18の「価値を上げる」

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U-17日本代表屈指の強力アタッカー、愛媛FC U-18MF行友翔哉(3年=レノファ山口FC U-15出身)

[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 愛媛U-18 1-0 長崎U-18 エディオン]

 人間としても、プレーヤーとしても成長させてくれたチームの「価値を上げる」。愛媛FC U-18のU-17日本代表MF行友翔哉(3年=レノファ山口FC U-15出身)は、今季J3で3得点。プレミアリーグ復帰をかけたプレーオフの1回戦では、チームプレー、守備に徹して勝利に貢献した。

 体調不良から復帰したばかりでコンディション面に不安があった。「ゴール前が一番自信があるんですけれども、きょうはあんまり行けなかった」。鋭いドリブルでDF間へ割って入るようなシーンもあったが、この日は1タッチプレーなどで味方をサポートすることに集中。また前線で収まりどころとなってチームの攻撃時間を増やそうとしていたり、守備で走るなど今できることに取り組んでいた。

 チームは多くの時間帯で長崎U-18にボールを握られ、我慢の時間が続いた。だが、DF陣や同じくトップチームへ昇格するGK牧口一真(3年)が踏ん張り、0-0を継続する。そして、後半31分にセットプレーから1点をもぎ取って1-0で勝利。昨年と同じく、プレーオフ2回戦へ進出した。

 行友は昨年のプレーオフにも出場し、旭川実高(北海道)戦で1得点。続く静岡学園高(静岡)戦では追撃ゴールを奪い、同点ゴールに繋がるPKも獲得する活躍を見せた。今年はプリンスリーグ四国で11試合9得点、トップチームのリーグ戦やU-17日本代表でも活躍を続けている。

 目指す姿は「どこでもボールを持ったら怖い選手」になることだ。低い位置でも相手を剥がすことやボールを展開することで相手にとって怖い存在となる。そして、「前で持ったら自分は絶対に怖い。自分を信じている」というゴール前で決定的な仕事。この日は自重した仕掛けも世代トップクラスの破壊力があり、何もないようなところから一発を叩き込む力もある。

 行友は山口U-15からU-18チーム昇格を逃し、愛媛U-18へ。中学時代の自分を思い返すと「やばいなと思います」と苦笑する。気性が荒く、勝つことに固執しすぎる部分もあったか、指導陣や味方に当たることもあったという。だが、愛媛U-18で徳永登大コーチ(現長崎U-18コーチ)や北内耕成監督の指導を受ける中で「人としてのことが一番」変わったと実感している。

 そして、相手にとって怖い選手へ成長してきたMFの将来の目標は、ワールドカップの舞台に立つこと、勝つこと。「あそこに立って優勝したいですし、自分も世界一になりたいですし、そういうところは常に目標にしている。(ワールドカップを見て)ああいう舞台で日の丸を背負うことは率直に格好良いと思いました」。自分がプロの世界や代表チームで活躍することが、育ててくれた愛媛U-18の価値向上に繋がると考えている。

「今後、自分が活躍していったら愛媛のユースの価値も上がっていくだろうし、そういう責任と覚悟を持ちながらやっていきたい」。まずは11日のプレーオフ2回戦で勝ち、チームのステージを一つ上げること。その価値を高めて愛媛U-18から“卒業”する。

(取材・文 吉田太郎)
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