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[MOM4133]浜松開誠館FW山口莉生(3年)_W杯で「あの選手」に憧れて走った俊足FWが決勝ヘッド

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後半39分、浜松開誠館高FW山口莉生(3年=AS.ラランジャ豊川U15出身)が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦 浜松開誠館高 2-1札幌大谷高 広島広域公園第一球技場]

 W杯で「あの選手」に憧れてチームのために走った男が、試合を動かすゴールを沈めてみせた。

 ハーフタイムで「自分にとっての大きな壁だし、ライバル」と言うFW坂上輝(3年)に代わってピッチに入る。浜松開誠館高(静岡)FW山口莉生(3年=AS.ラランジャ豊川U15出身)がまず考えていたのは「チームのために走ること」。開催中のW杯では「前田大然選手のプレー」に釘付けになっていた。

「監督から前線から追うプレーをずっと言われて来ていて、(前田のプレーを観て)『あれができるようになったら、相手のDFはどれだけ嫌だろう』と思った。あれが目標です」

 元より「自分の武器はスピード」と語るだけに、前田のプレーは分かりやすい指標だったのだろう。後半は劣勢の展開になる時間帯もあったが、献身的に「まずは走る」ことを意識してプレーを継続し続けた。

 そしてもう一つ、「ああいう形で決めてくれるようになった」と青嶋文明監督が一目置くプレーで試合も動かした。後半39分、右サイドからのクロスにジャンプヘッドで鮮やかに合わせて決勝点を奪い取ったのだ。

「信じてニアに体ごと入っていくイメージ。プリンスリーグ東海でも得点の半分くらいは頭で決めていると思う」

 リーグ戦で試合を重ねる中で自信を着けていったプレーが、苦しい展開になっていたチームを救う決勝点になった。

 次の相手は関東王者の昌平高(埼玉)。「強いチームなのは知っているし、相手が格上だと思っている」と謙虚に語りつつ、狙いも明確だ。後方からボールをしっかり繋いでくるスタイルの相手に何が有効なのかは日本代表FWが教えてくれた。

「相手のビルドアップをかっさらって、カウンターで決めたい」

 全国高校サッカー選手権静岡県予選ではほぼ不発に近い1得点に終わったが、その悔しさを胸に秘め、その後は公式戦4試合連続ゴールと乗りに乗っている。「前田大然のように」泥臭くボールを追い回し、どん欲にゴールを狙うストライカーは、関東王者にとっても厄介な存在になりそうだ。

(取材・文 川端暁彦)
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