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昌平が初挑戦のプレーオフを一発通過!プレミア参入権獲得し、新たなステージへ

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昌平高がプレミアリーグ初昇格

[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 昌平高 2-0 浜松開誠館高 広島一球]

 昌平がプレミアリーグ初昇格! 11日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2022 プレーオフ(広島)2回戦が行われ、6チームが高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2023に参入する権利を獲得した。ともに初の参入を狙う昌平高(関東1/埼玉)対浜松開誠館高(東海1/静岡)戦は、昌平が2-0で勝利。初のプレミアリーグ参戦を決めた。

 08年に本格強化をスタートし、育成組織のFC LAVIDAとの中高6年指導で全国トップクラスの強豪に。7年連続でのJリーガー、また各学年に年代別日本代表のタレントを輩出している昌平が、初挑戦のプレーオフを一発通過した。

 プリンスリーグ関東1部で初優勝し、プレミアリーグプレーオフでも強さを示しての勝利。だが、その戦いは簡単なものではなかった。浜松開誠館は選手権静岡県予選でプレミアリーグWEST4位の静岡学園高に快勝し、選手権予選、プリンスリーグ東海を制している好チーム。昌平の藤島崇之監督は「(対戦してみて)球際の感覚というか密集具合とか、関東プリンスやっていた中でもこういうチームは無いくらい強かった」という感想を口にしていた。

 浜松開誠館は、コンパクトな陣形を維持しながら相手のドリブル、ショートパスに対応。1対1でもボールを取り切ったほか、ロングボールも集中して対応するなど守備からリズムを掴む。また、攻撃面でも左WB前田康尋(3年)やMF菅原太一(2年)、MF今井航(3年)が相手のプレッシャーを掻い潜って前進し、サイド攻撃、ラストパスへ持ち込もうとしていた。

 だが、昌平も切り替えの速い守備。また、中盤で取り切ることができなくても、守備センスの高さを見せつけていた鹿島内定CB津久井佳祐主将(3年)とCB石川穂高(2年)の両DFがシュートに持ち込まれる前にボールを奪い取る。そして、1トップのFW小田晄平(2年)の抜け出しやFC東京内定MF荒井悠汰(3年)の突破力を活用するなど多彩な攻撃で相手を攻略しようとする。

 そして前半28分、MF長準喜(2年)の変化をつける動きをきっかけに先制点を奪った。それまで得意のドリブルができない状況の続いていた長だが、このシーンでは「ドリブルで侵入することで流れが変わる」と中央からドリブル。プレスを剥がして前進すると、MF篠田翼(3年)とのパス交換でペナルティーアークまで持ち込んで右足を振り抜く。これを決め切り、スコアを動かした。

 昌平は篠田のドリブルシュートや、パス交換で抜け出した荒井、小田のシュートなど2点目のチャンス。浜松開誠館はGK藤井海人(2年)がシュートストップを連発し、1点差のまま折り返すと、後半5分にビッグチャンスを作り出す。左サイドからの斜めのクロスボールを右WB若尾直哉(3年)が折り返し、菅原が決定的なヘッド。だが、枠を捉えることができなかった。

 逆に昌平は後半11分、終始技術力の高さを発揮していたMF大谷湊斗(1年)が思い切り良く右足シュートを打ち切って2-0。浜松開誠館は攻守に渡り合っていた印象だが、失点シーンでDFが寄せきれず、またサイドで小さなスペースを与えてしまうという課題が出てしまう。また、2点差となってからはアバウトなロングボールも増えてしまった。昌平は3点目のチャンスを活かしきれなかったものの、浜松開誠館の勢いのある攻撃に対して津久井、石川が抜群の安定感を発揮。被シュート3本で試合を終えた。

 前橋育英高(群馬)が5回目の挑戦でプレミアリーグへ参入するなど、全国トップクラスのチームでもプレーオフ突破までに時間を要している。昌平にもプレッシャーはあったようだ。藤島監督は「その話をずっとしていました。プリンスのところで(昇格まで)何年も厳しい状況だったので。逆にここで上がれたのは次に繋がると思います。年間のリーグ戦がチーム力を高める上でも重要になると思いますし、3年生には置き土産をという話をしていました」とホッとした表情。主将の津久井も「後輩に置き土産というのは3年生で話していましたし、来年も強いので期待しています」と後輩たちをより成長できる場を残せたことを喜んでいた。

 大目標の一つであるプレミアリーグ昇格決定。このあとセカンドチームのプリンスリーグ関東参入戦を経て、チームは選手権へ向かう。津久井は「まずは(初戦の)近江に勝つことに集中して優勝したいですね。このチームでインターハイの悔しさ(準決勝敗退)がみんなあると思うので、しっかり勝ちたいです」。自分たちのステージを上げた埼玉の強豪が今冬、トーナメント戦でのビッグタイトルも勝ち取る

(取材・文 吉田太郎)
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