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東海王者の浜松開誠館は中1日で昌平と互角に近い戦い。「最高に良い経験」を選手権で活かす

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浜松開誠館高左WB前田康尋主将(右)が昌平高MF荒井悠汰(FC東京内定)にスライディングタックル

[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 昌平高 2-0 浜松開誠館高 広島一球]

 体力面で難しい状況の中、強さを示した。プリンスリーグ東海優勝の浜松開誠館高(静岡)はプリンスリーグ関東1部王者・昌平高(埼玉)に0-2で惜敗。中1日で2試合目だった浜松開誠館に対し、シードの昌平はこれが1試合目だった。コンディション面で差のある中での戦いで悔しい敗戦となったが、2度目のプレーオフ挑戦で1勝し、昇格をかけた戦いができたことを青嶋文明監督は前向きに捉えていた。

「我々にとっては毎回毎回初めてのことなので、(過去に)参入戦一回経験しましたけれども初めて勝利できたこともそうですし、タイトルをかけた戦いを経験させてもらったということもそうだったので。その収穫はとてつもなく大きなものだったので、チームの財産を彼らの財産にしたいなと思います」

 試合内容も3週間後に初戦を迎える選手権への期待を抱かせるものだった。夏のインターハイで3位に入り、選手権で優勝候補の一角に挙げられている昌平に対し、互角に近い戦い。コンパクトな陣形で戦う浜松開誠館は守備の距離感が良く、相手の得意とするドリブルに対応。1人目がかわされてもすぐに2人目、3人目の選手がサポートして食い止め、また左WB前田康尋主将(3年)やMF菅原太一(2年)が奪い返しに来る相手を剥がす技術力も示していた。

 なかなか回数を増やすことができなかったが、大きな展開を交えたサイド攻撃で決定機を創出。守備面ではテクニカルな選手が揃う昌平を1対1で止め切るシーンもあった。青嶋監督は「ある程度(1対1で)行けていたのはかなり収穫になりました。その部分はタフにできていたので良かったです」とコメント。また、俊足FW山口莉生(3年)や注目の中学生MF川合亜門(中3)を加えた終盤は、迫力のある攻守でゴールに迫った。特に強度、寄せの速さは関東王者を驚かせるものだったようだ。

 悔しい敗戦だったことは間違いない。だが、選手権へ向けて手応えアリの内容。青嶋監督は「(選手権へ向けて)最高に良い経験をさせてもらいましたね。(選手権と同じ)中1日でこれだけのゲームができたことは大きいですね。持ち味は十分に出せたので。両方のゴール前のところが差になったので、それを体験できたことが大きかったですね」と頷く。新たな課題も抽出。細部を突き詰め、前回準優勝校でプレミアリーグ勢の大津高(熊本)との選手権初戦(2回戦、12月31日)でプレーオフの経験を活かす。

(取材・文 吉田太郎)
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