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C大阪U-18は初の降格。強力ストライカーへ変貌した木實快斗はより上手く、怖い選手になって1年でのプレミア復帰へ

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セレッソ大阪U-18FW木實快斗は印象的な動きを見せて1ゴール

[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 C大阪U-18 1-2 神村学園高 広島一球]

 2011年の創設からプレミアリーグの座を維持してきた。セレッソ大阪U-18は今夏に行われた日本クラブユース選手権(U-18)で日本一となったが、8月以降のプレミアリーグWESTは11試合続けて未勝利。同10位として挑んだプレミアリーグプレーオフも神村学園高(鹿児島)に敗れ、まさかのプリンスリーグ降格となった。

 悔やみきれない結果となったが、最後まで残留を目指し、懸命に戦い続けた選手たちの姿は称賛に値する。中でも印象的なプレーを見せたのは、木實快斗(1年)だ。サンフレッチェ広島のMF満田誠、清水エスパルスのMF松岡大起らを輩出したソレッソ熊本の出身。元々は高いテクニックを活かした組み立てと持ち運びが売りのボランチだったが、C大阪U-18加入後はプレースタイルを大きく変えている。「チームを勝たせる選手になるのを目標にして、高校に挑んでいる。サッカーはゴールに向かうゲームなので、ゴールへの意識を強くした」。

 プレミアリーグWEST最終節の清水ユース戦では初めてFWで起用されると、2ゴールを奪って勝利に貢献。活躍が認められ、残留がかかった神村学園の大一番でも最前線に入った。最初の見せ場が訪れたのは、前半10分。パスワークによる中央の崩しから、ゴール前にスルーパスが出ると、木實はタイミングよくゴール前を抜け出し、左足シュートをゴールネットに突き刺した。

「自分の所に良いボールが来たので、絶対に決めてやるという気持ちで決めました」と振り返る一撃でエンジンがかかると、直後にもFW金本毅騎(3年)が左サイドからゴール前に入れたパスのこぼれを拾って、ゴールを狙った。

 32分には相手のビルドアップを奪って前に出たMF清水大翔(2年)のパスから、シュート。得点こそ1点に終わったが、後半30分にピッチを退くまで、「俺がチームを勝たせるという気持ちでやっていた。来年もプレミアでサッカーしたいという想いで、ゴールを狙い続けました」と貪欲さを見せ続けた。

 ボールが入ったら、思い切りよく相手に仕掛け、少しでも相手に隙があればゴールを狙い続ける。この日見せたプレーはストライカーそのもので、ボランチだった面影はない。ソレッソ熊本時代の1つ先輩で、同じ10番を背負った神村学園のDF吉永夢希(2年)は、「下でボールを動かすタイプだったので、FWをやっているのはビビった。1年間見ていなかったので、成長しているなと思いました」と木實の変貌ぶりに驚きを隠せない様子だった。後輩に先制点を許したことで、「俺も獲らなければいけないと思った」吉永は、前半43分の同点弾に繋げたという。

「プレミアは、本当にプレッシャーが速い。それでも、やらなければいけない状況なので、もっと上手くなれば楽にゴールが獲れるかなと思いました」。そう話す通り、厳しい舞台に身を置くことが、成長への近道だと理解している。だからこそ、1年でプレミアリーグに復帰しなければいけない。「プリンスで圧倒して勝って、プレミアに上がりたい。そのために相手に怖がられる選手になっていきたい」。意気込みを達成するため、味わった悔しさを決して無駄にしない。来年以降はエースとして、より逞しくなった姿を見せてくれるだろう。

(取材・文 森田将義)
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