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[MOM4142]尚志MF吉満迅(3年)_指揮官「感動した」。献身的なサイドアタッカーが大一番で殊勲の逆転弾!

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尚志高MF吉満迅(3年=フェルポール愛知出身)は決勝点をマーク

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 帝京長岡高 1-2 尚志高 エディオン]

 1-1の状態で2本のPKを失敗――。チームの雰囲気は一歩間違えれば、険悪になっていたかもしれない。そうした状況下でも、尚志高(福島)MF吉満迅(3年=フェルボール愛知出身)攻守で献身的にプレーし、終盤に巡ってきたチャンスを確実に仕留めた。

 吉満にチャンスが訪れたのは後半33分だ。相手陣内の右サイドでFKを得ると、サインプレーからMF岡野楽央(3年)がPA内にボールを送る。FW笹生悠太(2年)が中央で競り勝って、後ろに逸らすと、吉満がファーサイドの空いたスペースに飛び込んでゴールをこじ開けた。

「ボールがこぼれてきてくれたので、あとは流し込むだけでした」

 試合後は飛びっきりの笑顔でゴールシーンを回想した吉満に対し、仲村浩二監督も「感動した!献身的に頑張るのが大事。最高です!」と興奮気味に決勝弾を決めた殊勲者を褒め称えた。

 今回のプレーオフは2戦2発の大活躍。帝京長岡高戦では攻撃で果敢に仕掛けてクロスを挙げるだけではなく、フィニッシュに持ち込んだ。守備でも労を惜しまず、相手を追い回して守備陣を何度も助けた。最高のプレーでチームの勝利に貢献した一方で、初戦は自身の出来に不満が残っていたという。

「岡山学芸館高戦は良いプレーができていなかった。コーチやみんなが励ましてくれて、何がダメだったかを分析して教えてくれたんです。ゴールを決めたけど、ボールが足に付きすぎて、天然芝でプレーする難しさがあった。判断も悪く、得点はしたけど、内容はよくなかったのでダメでしたね」

 岡山学芸館高戦の悔しさをバネに、この大一番に向けて準備をしてきた。「みんなのモチベーションも高かったし、今日は自分がやらないといけない」。そう意気込んだ一戦で、チームを救うゴールを決めて仲間の想いに応えた。

 また、中学時代はフェルボール愛知に籍を置き、鳥栖U-18で来季のトップチーム昇格が内定しているCB竹内諒太郎(3年)の存在も大きかった。プレミアリーグWESTの優勝が決まった際には「おめでとう」と連絡するなど、今でも親交が深い。

「すごい選手。中学時代からプロになると思っていたし、人間性がすごくていろんなことを学んだ」とかつての仲間から高校入学後も刺激をもらい、自身も負けじとサッカーに向き合ってきた。そんな旧友から「プレミアリーグの昇格に向けて頑張って」とエールを貰っており、負けられない想いもあったのも確か。同じ日にプレミアリーグファイナルを制した竹内に、自身の活躍を届けられた点も喜びを増幅させた。

 結果を残したが、まだ終わりではない。28日に開幕する選手権で高校サッカー人生の集大成を飾れるか――。プレーオフで深めた自信を手に、高校最後の大舞台でも活躍を誓う。

(取材・文 松尾祐希)
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