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鹿島内定CB不在の期間にまた成長。2年生CB石川穂高は昌平の伝統を繋ぐ選手へ

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昌平高CB石川穂高(2年=FC LAVIDA出身)は完封勝利に大きく貢献した

[12.9 高円宮杯プレミアリーグプレーオフ2回戦 昌平高 2-0 浜松開誠館高 広島一球]

 鹿島内定CBの隣で学びながら、チームの伝統を繋ぐ選手になることを目指している。昌平高(埼玉)CB石川穂高(2年=FC LAVIDA出身)が、プレミアリーグ昇格をかけたプレーオフで完封勝利に大きく貢献。マン・オブ・ザ・マッチ級のパフォーマンスを藤島崇之監督も讃えていた。

 相手の特長を分析し、CB津久井佳祐主将(3年、鹿島内定)とともにCFやトップ下の選手を潰すことを徹底。その上で「際の駆け引きだったりずっと意識していた」。チームは相手の切り替えの速さや強度に苦戦する部分もあったが、昌平の最終ラインは崩れない。2点をリードして迎えた終盤、浜松開誠館高(静岡)はゴール前へ蹴り込む回数を増やしてきたものの、石川は全く慌てることなく、余裕のある守備を続けて2-0で試合を終えた。

 津久井とのコンビについて、石川は「信頼している。佳祐だからここ(前に)行けるとか、カバーに行ける。見なくてもだいたいここら辺にいるなとか、攻撃でも多少きついパス出しても何とかしてくれるのがあるので、本当にやりやすいです」。今年はそれぞれ怪我で離脱する時期も。中でも、石川は津久井不在だった夏、秋に成長を遂げている。

「(津久井が)インターハイ(準々決勝の)大津戦で怪我して、あの試合あんまり良くなかったんですけれども、佳祐怪我してやんなきゃなと」。急遽DFリーダーとなった石川は大津戦の残り約50分間を守り切って1-0で勝った。津久井の代役となったCB佐怒賀大門(2年=FC LAVIDA出身)は中学時代からのチームメート。守備の柱である津久井不在の中、佐怒賀の奮闘、また石川の自覚が高まったこともあってチームは、インターハイ後のプリンスリーグ関東1部で無敗を継続した。

 石川は「LAVIDAの頃からやっぱり自分が全部守んなきゃな、と上手く周り使いながらずっとやっていたら、(津久井が)帰って来た時もっと上手くやれるようになったと思います」と頷く。この日は冷静にハイボールを胸トラップし、また相手選手との駆け引きで優位に。元々ビルドアップ能力の高いCBはより落ち着きのある、また色々なことができる選手に進化している。
 
 その石川について、津久井は「大門とやっていて、たぶん『自分がやらなきゃ』となっていたと思います。より安心できるようになりました」とコメント。石川は入学直後から先発を務めていたが、当時は「自分のせいで負けたり、本当に頼ってばかりでそれで自分引っ張っていこうとか全然思えなかった。1年生でもっとやれたことがあったなと後悔があって」と振り返る。

 だが、今年は思ったことをどんどん口に。トレーニング、公式戦でチームメートからの信頼を得て、より自分の意見を聞いてもらえるようになったという。チームリーダーの一人となった石川はプレミアリーグ昇格の目標を果たし、次は選手権優勝にチャレンジする。

「後ろは佳祐と2人だけでもキツイ試合で守りきって、最悪PKでも後ろが守れば負ける訳はないので、攻撃の起点になりつつ、全然不安とかはないので今までやってきたことと、あと3週間くらい良い準備ができれば自ずと結果は出るのかなと思います」

 現在、昌平は7年連続でJリーガーを輩出中。石川は選手権、来年のプレミアリーグで輝き、津久井やMF荒井悠汰(3年、FC東京内定)に続く存在になることを目指している。「佳祐と悠汰からも話を聞いたりしていて、自分らが本当に凄いと思う選手でも(プロへ行ったら)苦戦すると思うので、行ってからも連絡取ったり、聞いて、目の前の努力をしていけば(プロ入り)できるという自信はあります」。現在はスピードの不足を読みで補っているが、上のステージに立つためにはまだまだ進化が必要。先輩たちからプロの話を聞きながら課題を改善し、武器を磨いてプロから求められるDFになる。

(取材・文 吉田太郎)
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