[1.6 NEW BALANCE CUP決勝 流通経済大柏高 1-1(PK4-2)八千代高 時之栖裾野G]

　悔しさも力に、伝統校を勝たせる存在になる。八千代高(千葉)の左サイドを務めたFW西村元汰(2年=Wings出身)は、右SB吾妻蒼太主将(2年)とともに昨年からの先発メンバー。流通経済大柏高(千葉)から厳しいチェックを受ける中でもキープ力を発揮していた。

　得意とするのは、相手DFの前に潜り込んでいくドリブル。タイミング良く相手の前に入る力を身に付けたきっかけは、中学時代にあるようだ。「中学校の時にめっちゃ小さかったんですよ。相手が大きかったんでそういう相手にどうしたらそこ勝てるかなとやっているうちに身に付いたと思います」。中学3年時に身長が一気に伸びて現在は170cm。現在は感覚的にその強みを発揮している。

　カットインからのシュートも特長の一つ。今回の「NEW BALANCE CUP 2023 IN TOKINOSUMIKA」(通称:裏選手権)では作陽高(岡山)戦でゴールを決め、決勝トーナメント1回戦の京都橘高(京都)戦では終了間際に劇的な同点ゴールを叩き出している。

　ただし、「良い試合もあったけれど帝京(東京)戦とか何もできなかった。全然ダメな試合があったのでまだまだ足りないものがある」と首を振る。佐賀東高(佐賀)との準決勝では、自分と同じ左サイドを務めたMF吉澤大將(2年)が見事な先制点。刺激を受けた。

「自分よりも(吉澤が)良かったので、凄く悔しいので頑張りたい。自分が試合を決定づけられるような、点を取れる選手になりたいです」という西村は悔しさも力に成長し、信頼されるエースとしてゴールでチームを救う。

(取材・文　吉田太郎)