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選手権全6試合フル出場、優秀選手選出も悔い残る準優勝。東山の2年生CB志津正剛は1年後、「国立で勝って終われるように」

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選手権優秀選手の東山高DF志津正剛(2年=プルミエール徳島出身)はCB、左SBでプレー

[1.17 練習試合 U17関西0-3びわこ成蹊スポーツ大 J-GREEN堺]

 1年後の国立決勝で勝つ。東山高(京都)DF志津正剛(2年=プルミエール徳島出身)は第101回全国高校サッカー選手権で全6試合に先発フル出場し、大会優秀選手に選出されたCBだ。この日は惜しくも1-3で敗れた選手権決勝後、初の実戦に挑み、存在感のある動きを見せた。

 志津は1本目にCB、3本目に左SBとしてプレー。1本目は得意のロングボールを入れつつ、相手が対応してくると見るや、短い縦パスを多用してテンポを変えた。また、守備面ではスルーパスを読み切ってインターセプトしたり、相手のクロスに対応するなど強豪・びわこ成蹊スポーツ大相手に無失点。3本目は中学時代に少し経験していたという左SBでのプレーだったが、「味方が良いところにいてくれたので、シンプルに使えたかなと思います」。守備面など完璧な内容ではなかったが、好パスでリズムを生み出していた。

 この日は遠慮してしまった部分があったというが、経験豊富なストッパーはU17関西を引っ張らなければならない選手だ。選手権後、体調を崩して休養。前日に復帰したばかりでびわこ大のパワーに苦戦する部分もあったが、18日の関西大戦はより活躍してトレーニングキャンプを終える。

 選手権で夢のような時間を過ごした。国立競技場での2試合を含めて計6試合を戦い、東山の初の決勝進出、準優勝に貢献。「自分も子供の頃見ていて、そこでやれたら良いなと思っていた場所だったので、緊張したんですけれども感動というか震える感じでした」と振り返る。

 日体大柏高の柏内定FWオウイエ・ウイリアム(3年)や大津高のU-19日本代表候補FW小林俊瑛(3年)とも渡り合って評価を高めた。ただし、心の中に残っているのは1-3で敗れた決勝の悔しさ。「(選手権期間中は)大体嬉しかったことの方が多かったんですけれども、最後負けてしまって悔いが残ってしまったので、今年は国立で勝って終われるようにしたいです」と誓う。

 そのために個人としても成長すること。全国の強豪校との戦いでより必要性を感じた競り合いの強さ、また「(選手権で)練習してきたロングキックやヘッドも最後らへん勝てて、ある程度通用することが分かったので、伸ばしたいなと思いました」という武器もさらに強化する。そして、国立競技場のような大舞台でも味方にベンチの指示などがしっかり伝えられるように、「味方に伝える力もつけていきたい」と語った。

 インターハイでの控えからポジションを勝ち取り、選手権で「びっくりしました」という大会優秀選手に。ここで満足することなく、隣でプレーしたCB新谷陸斗主将(3年)から学んだ守備時の準備の良さ、攻撃時の落ち着きを自分のモノにしてよりチームを支えられる選手になる。

「今年は自分たち弱いと言われているんですけれども、それでも勝たないといけない。新人戦とか、インターハイとか、選手権とか全部勝って優勝したい」。先輩たちのように平常心を忘れず、目の前の一日一日、そして一戦一戦に全力を尽くすだけ。残り1日の「2022 U17地域トレーニングキャンプ関西」で少しでも多くを学んで、自身とチームの成長に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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