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「ここでも10番を」。FW小湊絆は青森山田の仲間の分も高校選抜で輝く

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1本目、日本高校選抜候補の前線で鋭い動きを見せたFW小湊絆(青森山田高3年)

[1.21 練習試合 日本高校選抜候補 3-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 練習試合1本目、日本高校選抜候補はFW小湊絆(青森山田高3年)が存在感のある動きを見せた。「前からのところは自分のやらないといけないことですし、このチームから求められていることでもあると思うので、そこはキツイとか言ってられない」と攻守に渡ってスプリントを連発。FW古田和之介(履正社高3年)との2トップは活動量がとても多く、強豪・流通経済大の選手も嫌がっていた印象だ。

 小湊は「古田の印象も前からのチェイシング。大阪の決勝見てめちゃくちゃ走れるなと思っていた。お互いの良さを出し合おうと話していましたし、出せたと思う」。本人は「もう少し奪い切るところまでは行きたかった」と首を振ったが、自らインターセプトして相手DFを急襲。終了間際にはDFを振り切ってゴール方向へ向かい、さらにタックルをかわしてラストパスと決定的なプレーもしてのけた。

「5番の人(流経大CB根本健太)も(U-23)代表のトレーニングパートナーに行ったりしている人だったので、(同サイドの)右に行ってマッチアップしてみたりしていました。(レベルの高い相手だったが)通用した部分もある」と小湊。縦への鋭い仕掛けなど大学トップクラスのDF相手に健闘して見せた。

 高校選抜の活動で目指すのは、ゴールだ。「ゴール以外のところで貢献するのはもちろんですけれども、どう考えても注目されるのは結果だと思うので、FWやっている以上目指さないといけないはそこなので、結果を求めてやっていきたい」と意気込む。

 小湊は青森山田のスーパーエース。チームでは前線でボールを収めること、競ること、運ぶこと、そして決めることも役割になってしまい、最後のゴールという結果を十分には残せなかった。だが、高校選抜では「山田の時よりも周りのレベルが高いので。自分の仕事量が減るので」よりゴールに集中。「こんな高いレベルでやれる。このチャンスを逃したくない。ここでも10番を背負えれば良いなと思います」と“高校サッカー部の日本代表”でもエースの座を勝ち取るつもりでいる。

 選手権の悔しさは忘れていない。3冠世代の次の3年生たちは、悔しい敗戦を経験しながら力を積み重ねて選手権連覇を目指してきた。だが、準々決勝で逆転負け。「こんな一瞬で、という思いもあって……」。全国8強は胸を張れる結果だが、近年は決勝進出が“当たり前”になっていただけに、学校側など周囲の期待は大きかったようだ。もちろん、自分たちも全国優勝を目指してきただけに悔しさはある。

 だが、その悔しさも持って選考合宿に臨んでいる小湊は、この場に来ることができない仲間たちのためにも、青森山田の代表として活躍する決意。「チームとしてでは(輝くことは)叶わないけれど、チームの思いも背負ってここで輝ければ良いと思います」。FW争いを熾烈だが、結果を残して高校選抜のエースとして海外遠征に臨む。

(取材・文 吉田太郎)
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