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第102回選手権の主役候補たちが奮闘。U-17日本高校選抜候補が塩川、山本のゴールで流経大と2-2ドロー

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1本目26分、U-17日本高校選抜候補がFW山本吟侍(高川学園高2年)のゴールを喜ぶ

[1.21 練習試合 U-17日本高校選抜候補 2-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 U-17日本高校選抜候補が選考合宿2日目の21日に流通経済大と練習試合(30分×3本)を行い、2-2で引き分けた。

 U-17日本高校選抜は、現高校3年生が2年生だった20年秋、21年春と初めて活動を実施。選出された選手からFW福田師王(神村学園高3年)やMF大迫塁(神村学園高3年)、MF木村匡吾(岡山学芸館高3年)、MF阪田澪哉(東山高3年)、MF徳永涼(前橋育英高3年)、FW小林俊瑛(大津高3年)、MF名願斗哉(履正社高3年)ら国内外のプロ内定選手や年代別日本代表選手、第101回選手権のヒーローが生まれている。今回は第101回選手権で活躍した1、2年生など36名が候補メンバー入り。4選手が怪我などで辞退となったものの、32名がヤングサッカーフェスティバルなど3月の活動のメンバー入りをかけて4日間の選考合宿を行っている。

 この日は初めての対外試合。各30分の出場時間で選手たちがアピールを目指した。1本目はGK雨野颯真(前橋育英高2年)、DF宮崎達也(日大藤沢高2年)、塩川桜道(流通経済大柏高2年)、八巻涼真(浜松開誠館高2年)、野田隼太郎(藤枝東高2年)、MF福永裕也(京都橘高2年)、長準喜(昌平高2年)、芝田玲(青森山田高2年)、安齋悠人(尚志高2年)、FW山本吟侍(高川学園高2年)、田口裕真(岡山学芸館高2年)が出場した。

 流経大は午前中の日本高校選抜候補戦とは異なるカテゴリーのチーム。だが、CB山口聡三(1年=相洋高)やGK彼島優(1年=FC東京U-18)、MF草野太貴(1年=尚志高)ら期待の1、2年生が名を連ねた。U-17高校選抜候補はトレーニングから積極的に声を発していた芝田がリーダーシップ。全体的に守備意識高く戦い、長が特に多くボールに係わりながら攻撃に結びつける。選手権で2発を決めた田口裕の動き出しも活用しながら攻め、セットプレーとサイド攻撃でゴールを挙げた。

 10分、芝田の左CKをニアの塩川が頭でゴールへ流し込み、先制点。26分には、終盤にかけて特長の推進力を発揮していた安斎が芝田とのワンツーで右サイドを攻略する。折り返しに走り込んだ福永のシュートは味方に当たる形となったが、左サイドでこぼれ球を拾った山本が右足一閃。ファインショットをゴールに叩き込んだ。ミスなどから攻め込まれるシーンもあったが、塩川や雨野がカバー。2-0で1本目を終えた。

 2本目は選手権で活躍したGK平塚仁(岡山学芸館高2年)、DF市川和弥(尚志高2年)、石川穂高(昌平高2年)、青谷舜(桐光学園高1年)、上原悠都(昌平高1年)、MF田邉望(岡山学芸館高2年)、神田拓人(尚志高2年)、近藤侑璃(國學院久我山高1年)、松田悠世(桐光学園高2年)、FW小田晄平(昌平高2年)、金城蓮央(神村学園高1年)の11名が出場した。

 U-17日本代表など経験値豊富な石川が「(各選手の所属チームによって)前から行かないチーム、行くチームがあると思う。今回は行くという共通認識を持ってやっていた」と説明したように、前からの守備徹底。相手の攻め方に上手く対応したU-17高校選抜候補は、GK平塚が相手のヘッドをセーブするなど得点を許さない。

 そして、金城のラストパスを小田が合わせたほか、右サイドで攻撃の起点となっていた松田の左足キックで局面を変え、左SHの田邉がシュートへ持ち込む。ゴールを奪えなかったものの、石川は「結構上手く守れていたかなと思います」。0-0で30分間を終えた。

 3本目はGK中浦悠大(京都橘高2年)、DF白石蓮(尚志高2年)、山田佳(前橋育英高1年)、岩崎総汰(浜松開誠館高1年)、梶磨佐志(米子北高2年)、MF仲田堅信(米子北高2年)、土谷飛雅(昌平高2年)、谷川勇獅(青森山田高1年)、田中佑磨(佐賀東高1年)、FW宮地陸翔(京都橘高1年)が30分間出場。小田と金城が前線で約15分ずつプレーした。

 3本目はチームにミスが起き、流経大のMF半谷一太(1年=尚志高)とFW石川裕雅(1年=流通経済大柏高)にゴールを許して0-2。土谷、谷川がボールに係わり、宮地を起点とした攻撃や梶の攻め上がりなども見られたが、クロス、シュートの本数を十分には増やせず、2本目に続いて無得点で終えている。

 3本通しての結果は2-2で大学生相手に健闘する結果。有村圭一郎コーチ(神村学園高)も「みんな集中して、自分の力を発揮しようとやってくれていた」と評価していた。今回、不在の米澤一成監督(京都橘高)に代わって指揮を執る有村コーチは、攻撃面をより求める。「もうちょっとゴール前に飛び出ていくとか要求して、レベルの高い子たちなのでゴールへの意識は変えて帰って欲しいと思います」。第102回選手権の主役候補たちは、個々のアピールと勝利へ。22日の日本体育大戦や23日の日本高校選抜戦でより厚みのある攻撃を表現し、格上撃破を目指す。


(取材・文 吉田太郎)
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