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先発として岡山学芸館の日本一に貢献した2年生トリオがU-17高校選抜候補で奮闘中。「次は自分たちが伝えていかないと」

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U-17日本高校選抜選考合宿2日目、GK平塚仁(岡山学芸館高2年)は練習試合で30分間を無失点

[1.21 練習試合 U-17日本高校選抜候補 2-2 流通経済大 時之栖裾野G]

 日本一メンバーの3選手が、自覚を持って新たな1年をスタートしている。第101回全国高校サッカー選手権で初優勝した岡山学芸館高から、GK平塚仁(2年)、MF田邉望(2年)、FW田口裕真の3選手がU-17日本高校選抜選考合宿(20日~23日)に参加。選手権で大きく成長して準々決勝、準決勝で先制点の田口は、「選手権でホンマに人生変わったので。(以前、高原良明監督から冗談交じりに)『(U-17日本高校選抜は)オマエは無いから、心配するな』と担任だったので言われていたんですけれども、(選出されたり世界が)変わったと思います」と微笑み、平塚も「高校選抜候補のメンバーからも『日本一凄いな』と言われますし、そういう目で見られているんだなというのは結構感じます」と“日本一効果”を実感していた。

 3選手は選手権でレギュラーとして活躍。平塚はPK戦までもつれ込んだ3回戦、準決勝でビッグセーブを見せたほか、高精度キックで会場を沸かせるなど、攻守両面で活躍して大会屈指の守護神という評価を得た。

「学芸が優勝するとは誰も思っていなかったと思いますし、一戦一戦チームが強くなっているのは凄く実感して。自分も最初は自信があまりなくて、堂々とプレーできなかったんですけれども、準決勝、決勝となって行くと自信がついて、国立でも堂々とプレーできるようになりました」と振り返る。

 平塚は、左サイドのチャンスメーカー役を担った田邉、シャドーストライカーとして躍動した田口を含めた3人が中心となって新チームを引っ張っていく考えだ。いずれも国立競技場の舞台で先発出場。「ピッチに立たないと感じないものがある」と語る守護神は、大舞台で学んだことを新チームに還元し、3年生同様、後輩たちに多くを経験させる意気込みだ。

「(3年生は)みんな優しい人で、先生も『みんな良いヤツ』と言うくらい優しくて。だからこそ、自分は2年生でGKしていましたけれども(コーチングなど)言いやすかったです。3年生に良い思いをさせてもらったので、次は自分たちが伝えていかないといけない」。また、田口は「優勝したというのは、プレッシャーとかはあるんですけれども、それを大きくは捉えていなくて、今年は今年の色があるし、去年成し遂げていない目標もあるので、一から新チームで頑張っていきたい」と力を込めた。

 使命感を持って新生・岡山学芸館を強化し、新たな歴史を築く。今回のU-17日本高校選抜選考合宿には、岡山学芸館の代表として参加。不甲斐ないプレーをする訳にはいかない。この日は田口が鋭い抜け出しなどでチャンスメーク。合宿直前に復帰したばかりという平塚は感覚が戻っていない中でも精度の高いキックやシュートセーブを見せた。また田邉も精力的な動きでシュートシーンに絡むなどアピールしている。

 平塚は「まだ候補ですけれども、絶対にメンバーに入りたいですし、それが自分のステップアップにも繋がって行くと思います」。また、田口は周囲のレベルの高さを口にする一方、「(自分は)もっとできると思います」。選考合宿は残り2日。U-17日本高校選抜入りしてより多くの経験をチームに還元できるように、トレーニング、試合で全力を尽くす。

MF田邉望(岡山学芸館高2年)

FW田口裕真(岡山学芸館高2年)

(取材・文 吉田太郎)
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