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遠野が初の東北新人決勝進出。準優勝も10番MF昆野翔太らが青森山田にチャレンジ

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遠野高が初の決勝進出。10番MF昆野翔太はよりスケールの大きな選手へ

[1.30 東北高校新人選手権決勝 遠野高 0-3 青森山田高 Jヴィレッジ]

 岩手県勢最多の全国高校選手権出場29回。盛岡商高とともに岩手県の高校サッカーを牽引してきた遠野高が、初めて東北高校新人大会決勝へ進出した。決勝の対戦相手は“高校年代最高峰のリーグ戦”プレミアリーグに所属する青森山田高(青森)。岩手県1部リーグに所属する遠野にとって2カテゴリー上のチームだったが、伝統校は真っ向勝負で食い下がった。

 立ち上がりにセットプレーの流れから先制点を献上。だが、今大会躍進の原動力になっている距離感の良い守備と中盤の技術力の高さを活かした攻撃で対抗して見せる。前半20分、準決勝までの前線からボランチとして先発したMF馬場大瀬(1年)が思い切り良くドリブルシュート。さらに22分には、FW細谷地亮介(1年)のラストパスからMF高橋優成(2年)が右足を振り抜く。

 27分に再び失点したものの、遠野は35+1分、高橋の右クロスに2戦連発中のFW池口遥葵(2年)が飛び込んで決定的なヘッド。CB畠山哉人主将(2年)とCB佐々木湧太(2年)が相手の攻撃をよく跳ね返し、攻撃でも10番MF昆野翔太(2年)がドリブルでボールを運ぶなど、自分たちが磨いてきた技術力で挑んでいた。

 オフサイドによってノーゴールだったものの、昆野のスルーパスから池口が抜け出してゴールへ押し込んだ後半18分のシーンなど、全国トップクラスの強豪相手に通用していた部分も多かった。

 一方で、全国トップクラスの強豪校に勝つための課題もあった。「(あの強度に対して)どれだけできるのかという話を子供たちとしていましたけれども、一瞬の隙を与えるとやられてしまうし、ゴールのところとかの競り合いで負けてしまうところが多々あったと思う」と佐藤邦祥監督。今大会でブレイクした昆野についても、「得点を取る、得点機会を作るところが出てきて欲しい」と満足せずスケールの大きな選手に成長することを期待した。

 今大会は仙台育英高(宮城)と尚志高(福島)、学法石川高(福島)と強豪私学勢を破って東北新人のファイナリストに。「貴重な凄く良い経験になった」(佐藤監督)ことを持ち帰り、強化をして次は全国大会上位を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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