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インハイ予選制した昨年に続く躍進も。磐田東が静岡学園を苦しめるなど静岡新人戦で次に繋がる3位

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磐田東高FW瀧井空主将(2年=ジュビロSS掛川出身)は右サイドで存在感のある動き

[1.28 静岡県新人大会準決勝 磐田東高 1-2(延長)静岡学園高 愛鷹]

 昨年、インターハイ予選で17年ぶりとなる静岡制覇。磐田東高が新シーズンの躍進も期待させるような戦いを見せた。

 今回の県新人大会は、3回戦で選手権予選優勝校の浜松開誠館高に1-0で勝利。続く準々決勝では、インターハイ予選決勝の再戦となった藤枝明誠高を3-2で下した。迎えた準決勝でも健闘。格上のプレミアリーグ勢である静岡学園高と渡り合った。

 個々のスキルで上回る静岡学園に対抗。守備時のオン・オフのマーキングの仕方や攻撃時のスペースの使い方など、トレーニングで学んだことをピッチで表現する。山田智章監督は「ウチの子たち、結構素直な子たちで、受け入れてやってやろうとやってくれる子たちなので。やっていてやりがいがあるよね」と語っていたが、堅守とショートカウンターを軸に静岡学園を大いに苦しめた。

 前半16分に失点したものの、同25分に追いつく。初先発の右SB赤堀豪哉(2年)が右サイドからPAへスルーパス。ボランチの位置から抜け出したMF杉山充希(2年)が、右足ループシュートを決めた。これで1-1。この日、磐田東は球際の攻防で幾度も上回り、速攻へ持ち込んでいた。

 特に存在感のある動きを見せていたのが、右FW瀧井空主将(2年=ジュビロSS掛川出身)だ。昨年も左サイドからの鋭い突破などでインターハイ予選優勝に貢献しているサイドアタッカー。山田監督が「新チームになってからプレーの強さが増した。大胆にサッカーできるようになってきた」と評するエースは今年、得意とする右へポジションを移したこともあってより強みが発揮できるように。準決勝では球際の強さを活かしたインターセプトや縦突破、スルーパス、シュートと静岡学園の選手に勝るほどの動きでチームを引っ張っていた。

 同じく推進力のある10番FW徳増倭(2年)、期待のレフティーFW伊藤悠陽(1年)らアタッカー陣は力がある。彼らを含め、各選手のスペースを作る動きやボールの運び方が光り、静岡学園を押し込む時間帯もあった。

 パスで崩そうとするあまり、大胆なシュートが打てないなど課題があったことは確か。だが、昨年からゴールを守るGK岡村虹輝(2年)やDF経験の浅い4バックが奮闘するなど延長戦まで持ち込み、強敵を慌てさせた。

 山田監督は「彼らの中で去年ああやって結果出したので、(先輩たちに)負けられないというのがあるかもしれない。去年よりもチーム力が落ちると言われていて、そこからのスタートだからそういう意地もあるだろうし、結果が出たのでまた成長できると思う」と期待した。

 昨年は新型コロナウイルスの影響でインターハイを出場辞退。初戦で対戦予定だった前橋育英高(群馬)が「磐田東の分も」と勝ち上がり、2度目の優勝を果たした。指揮官は前橋育英に感謝。今回の新人戦で自信をつけたイレブンが再びインターハイ切符を勝ち取り、今年は自分たちが躍進を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)

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