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[MOM4206]境MF片野雅斗(2年)_公立校を引っ張る10番。23年ぶり茨城決勝進出

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境高MF片野雅斗(2年=八千代町立八千代第一中出身)は気持ちの強さも見せ、チームを牽引した

[2.1 茨城県新人大会準決勝 境高 1-0 第一学院高ト伝ノ郷A]

 公立の境高は、最終的に準優勝で終わったものの、23年ぶりの茨城県新人戦決勝進出。劇的な決勝点を決めたFW小竹涼斗(2年)やアンカーの位置で奮闘したゲーム主将MF花島悠晟(2年)、またDF陣ら各選手の頑張りで勝ち取ったファイナル切符だった。中でも、印象的な動きを見せていたのが160cmの10番、MF片野雅斗(2年=八千代町立八千代第一中出身)だ。

 準決勝では、攻守に力のある選手が多かった第一学院高に対し、前半から攻めどころになっていた。「後ろは(花島)悠晟がやってくれるので、セカンド拾って前に繋ぐことをメインにして、点を狙っていきました」という片野は、シャドーの位置から得意のドリブルで再三仕掛けて前進。数的不利の状況でもチャレンジしていた10番は、前半30分に左サイドでの突破、奪い返しから決定機を演出した。

 プレースキッカーも務める片野は、後半にもショートコーナーからゴール前のシーンを創出。守備の部分を含めて貢献度は高かったが、本人は「納得は全然していないです。今回(決勝も含めて)あんまりシュートまでいけていない。状況に応じて仲間にも上手く頼ってやっていきたい」とより成長することを誓っていた。

 小学生時代から得意というドリブルは、「相手の位置とスペースを見て、どこから攻めるか考えながらやっています」。また体幹の強さも突破力の要因。明秀日立高との決勝は中盤の底の位置で先発し、点差の開いた終盤は前線へ移って気迫のドリブルで1点をもぎ取ろうとしていた。そして、DF2人3人をかわしてシュートするシーンも。自分の武器が県大会準決勝、決勝でも通じる手応えを得た。

 だが、DFを抜くことにパワーを費やしてしまい、力のあるシュートが打てなかったことも確か。羽石直樹監督が「(チームにとって)いなきゃダメな選手」と評するMFはより、自分の武器と連係面も磨いて得点という結果を目指す。

 中学卒業時、「先輩に上手い選手がいるのと個人的に大学も考えていたので、(勉強とサッカーの)両方できる境高校が良いなと感じていました」という境への進学を決断。「大学でやっていくか分からないけれど、そこでも通用するように力をつけていきたい」。まずは今回の準優勝超えが目標だ。

「今回の大会で決勝まで行ったので、次は優勝にいきたい」。中盤、前線で多用性も見せる片野の憧れのプレーヤーはMFルカ・モドリッチ。「中盤を支配している感じが格好良くてチームに貢献している感じが憧れます」というMFは、自分もチームに貢献し続けて目標を達成する。

(取材・文 吉田太郎)

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