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新生・岡山学芸館のリーダーかつ得点源。MF田口裕真が目指す、あの王者のようなチーム

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新生・岡山学芸館高を引っ張るMF田口裕真は青森山田高のような意識高いチームになることを掲げた

「今年重圧がかかると思うんですけれども、そこは経験している選手にしか分からないことがあると思うので、自分たち経験している選手が引っ張っていかないといけない。それは去年から話していたことなんですけれども、自分たちが引っ張っていかないといけない」

 岡山学芸館高は選手権優勝メンバーからGK平塚仁(2年)、MF田口裕真(2年)、FW田邉望(2年)の先発3人を残す。U-17日本高校選抜候補にも選出された彼らをはじめ、選手権の登録メンバーたちは昨年の時点で自分たちが新チームを引っ張り、経験を伝えるという確認をしていた。

 まだまだ足りないが、その思いを日常から少しずつ表現している。4日の新人戦初戦を控えたトレーニングでは、田口が特に存在感のある動きを見せていた。11対11のトレーニングでは積極的にボールに絡み、質の高い動きで攻撃をコントロール。選手権準々決勝、準決勝で2試合連続先制点を決めているMFは、得点源として、またチームリーダーの一人として期待される存在だ。

 高原良明監督は「アイツは経験もあるし、技術はチームナンバー1で周りも見れるし、動かせるし、というのがあるので。あとは、『点が取れるトップ下になれ』という話をしているので、点を取るというところにもこだわって欲しい」。本人も結果でチームを勝たせる意気込みだ。

「チームを勝たせられるようになっていかないといけないですし、去年のFW今井拓人選手だったりは、チームを自分の点で勝たせていた。それを今年は僕だったり、田邉選手が背負っていかないといけない立場になると思うので、チームを勝たせる選手になりたい。(またリーダーとして)もう一度あの舞台(国立決勝)に立つということはチームとして目指している場所なので、全ての部員にそういう声がけをしていきたい」。コンディションは悪くない。だが、最後の質の部分が練習でも不足していることは確か。2日のA1対A2のゲームでA1はA2に0-1で敗れただけに、より引き締めて自主練から最後の質の部分を求めていく。

 その田口には理想のチーム像があるという。「正直、最初ここに入ってきた時からのことを思い返したりするんですけれども、(自分たちのピッチ内外の取り組み、姿勢は)まだ違うよなと。去年、松木玖生選手たちが取った日本一を僕らが取ったんだなと実感は湧くんですけれども、身に沁みて感じてはいなくて、信じられていないところがある」。松木らを擁して3冠を成し遂げた21年度の青森山田高が目指す姿だ。

「あのチームは絶対に勝ちにこだわるというところがある。あれが強さだと思うので、自分たちはまだまだなんですけれども、ああいうチームに自分たちがなっていけるように。去年と同じことをやっても今年は勝てないと言われているんで、去年以上のことをして、一つの目標が達成できると思うので、去年以上のことをしていきたい」

 新人戦初戦を控え、プレッシャーと楽しみという感情もあるのだという。自分たちがどれくらいできるのか、どれくらい成長できるのか。先輩たちの努力する姿を知るMFは、先輩たちに追いつくこと、それを超えることが簡単ではないことを知っている。その上でより高い目標を目指していく考え。個人、チームとして成長を続けて、偉大な先輩たち以上の、青森山田のような勝利への強い意志を持ち、表現できるチームになる。

(取材・文 吉田太郎)

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