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[新人戦]選手権王者・岡山学芸館の新チームが公式戦初陣。5-0快勝で目標への第一歩

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前半24分、岡山学芸館高はゲーム主将のU-17日本高校選抜候補MF田口裕真が左足シュートを決めて2-0

[2.4 岡山県高校新人大会2回戦 岡山学芸館高 5-0 勝山高]

 新生・岡山学芸館が5-0発進――。第101回全国校サッカー選手権で初優勝した岡山学芸館高の新チームが4日、令和4年度岡山県高校サッカー新人大会初戦(2回戦)で勝山高と対戦。5-0で快勝した。

 選手権王者が新たなスタートを切った。いずれも国立決勝で先発したGK平塚仁(2年)、MF田口裕真(2年)、FW田邉望(2年)らが先発に名を連ね、ゲーム主将は田口に。その田口は「(練習で)上手く噛み合わないという不安はあったんですけれども、思ったよりも初戦にしては緊張もせずにプレーできていた選手が多かったと思います」と振り返る。

 前主将のCB井上斗嵩(3年)ら優勝メンバーも見守る中でスタートした新チーム初戦。岡山学芸館は試合開始わずか1分、先制点を挙げる。左SB今村天音(2年)からの横パスが右中間にいたMF平松伸朗(2年)へ通る。縦へ持ち込んだ平松がそのまま右足を振り抜き、1-0とした。

 岡山学芸館が一気に畳み掛けようとする。3分、4分と左サイドから立て続けにチャンスを作り出し、田邉が決定的なシュート。その後もMF田村日夏汰(2年)とMF岡野錠司(1年)のダブルボランチがボールに多く触れながらゲームコントロールし、平松、MF木下瑠己(2年)の両翼の突破力も活かして相手に圧力をかけた。

 だが、高原良明監督が「バイタルのところでもうちょっとダイレクトプレーができれば良いなというところと、外からのクロスの質とタイミングはもっと上げていかないといけない」と指摘したように、ブロックを作って守る勝山守備陣からなかなか2点目を奪うことができない。

 それでも24分に追加点。左中間の田口が木下からの浮き球パスを胸コントロールして前へ出ると、そのまま角度のない位置から左足シュートを叩き込んだ。トップ下の位置から横や後方へ逃げるのではなく、狭いスペースで勝負することを求められていた新10番がファインゴール。「前線の選手たちが決めることでチームも勢いつくと思うので良かったと思います」と微笑んだ。

 選手権出場5回の公立校、勝山も好チームだった。大型CB横山亮介主将(2年)はピッチ内外での振る舞い、声でチームを牽引。高さを活かして跳ね返す横山と守備範囲の広いCB西田藍人(2年)が中心となって岡山学芸館の攻撃に対抗し、挟み込みの部分も徹底して良く守っていた。

 失点しても声を掛け合い、下を向かない。そして、MF川合亮勁(2年)やMF井上航希(2年)、FW吉川真央(1年)らが前への姿勢を見せていた。だが、岡山学芸館は球際の強度で差をつける。右SB高山隼磨(2年)、CB中河元氣(2年)、CB平野大樹(2年)、今村と並んだ4バックと注目GK平塚中心に被シュート1。攻撃面では後半2分に田口の放ったヘッドがポストを叩いたものの、5分に田邉が豪快な右足シュートで3点目を奪う。

 高原監督が「交代要員もほぼほぼ力は変わらないので(チーム内の)競い合いは今年はシビアにできるかなと思います」と語るように、選手交代で質の落ちない岡山学芸館はその後も攻め続け、シュート数は計27本。1点を狙って横山を前線へ上げ、3バックへ移行した勝山から終盤に追加点を奪う。

 29分、右サイドを突破したMF山河獅童(2年)のクロスをMF川端瑞己(2年)がダイビングヘッド。交代出場の2人で4点目を挙げると、32分には岡野の左CKを平野が頭で叩き込んだ。

 5-0で公式戦1勝。高原監督は試合後、選手たちに「全国の基準の強度を追求していかないといけんな」と話していた。目標は県内3冠、プレミアリーグ昇格、そして1年後の選手権で連覇すること。「(選手権連覇は)ウチしか狙えない。相当な高い壁ですけれども、やるからには戦わせたい。ここからどれだけまた上げていけるか。楽しみなチームになるかなと思います」と指揮官は期待した。

 5日は準々決勝後に、「M-1グランプリ2022」で優勝した岡山出身のお笑いコンビ、ウエストランドとの「W優勝パレード」(岡山市)。現2年生は3月に4年ぶりとなるスペイン遠征を実施する。まだまだ地元の盛り上がりが続く中、チームは本格的なシーズン開幕となる4月へ向けて、意識高く準備を進めていく。

 まずは新人戦制覇へ集中。田口は「新人戦で1年が始まる。この大会でしっかり流れを作ってプリンスリーグ、インターハイに繋げていけるように、チームの基礎というところを新人戦でしっかりと作って、しっかり結果にこだわるというところで一戦一戦頑張りたい」。県内にもライバルは多数。優勝することは簡単なことではないが、新生・岡山学芸館は新人戦を通して成長し、結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)

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